ダーク (上)の書評・感想

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ダーク (上) (講談社文庫)

物語は、どうやら「顔に降りかかる雨」の後日談、という形でスタートするようです(どうやら、というのは、僕自身、「顔に降りかかる雨」の内容をまったく覚えていないからです)。物語の前提として、村野ミロは、以前の恋人で仕事の相棒であった成瀬という男の出所を待っていた。成瀬を刑務所に送ったのはミロ自身であったが、それでも成瀬の出所を待つことで、探偵業も続けることができた。生きている理由のすべてが、成瀬を待つことだったと言ってもいい。そんな背景がある。成瀬を待って六年という月日が過ぎている。
物語は、村野ミロが一通の葉書を受け取るところから始まる。それは、成瀬によって殺された幼馴染、宇野正子の母親からであり、老人ホームに入居することになったから一度顔を見せてくれないか、ということであった。あまり気乗りはしなかったが、それでもミロは母親に会いに行くことにした。
そこで幾ばくかの話をする中で、ミロは驚くべき事実を耳にする。成瀬は四年前に獄中自殺していた、というのである。
『私の中の何かが死んだ』
成瀬が自殺したということを、義父の善三は知っていた。知っていて、ミロには伝えなかった。激しい憤り。
ミロは、すべてを捨てて義父を殺しに行くことにした。事務所も売り払い、かき集められるだけの金を集めて。北海道に隠居した義父の元へと、ミロは向かった。
そうやってミロは、自らの人生を悪の方へとどんどん切り開いていきながら、周囲に災厄を振りまいていく。
幼い頃からミロを知る老ヤクザ、元隣人のホモ、義父の盲目の内妻。様々な人が、ミロを恨み、ミロを追いかけようとする。ミロはひたすらに逃げる。相変わらず災厄を振りまき続けながら…。

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