ベーシックインカムとは?論客によるBI論

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POSSE vol.8 マジでベーシックインカム!?

about

ベーシックインカムを巡り様々な立場の論客が語る本。ベーシックインカム入門に最適な一冊!!

ベーシックインカムとは?

Q. ベーシックインカム(以下、「BI」)とは?

・全ての人(国民)に
・個人単位で
・無条件で
・現金で
・生涯にわたり定期的に
給付される、最低限度の生活(所得)を保証するという構想。上記を完全に満たすBIはまだ実現されていない。

Q. 生活保護との違いって?

厳しい審査なしで個人単位で誰でも貰える点。また、全員に支給されるので福祉に依存している受給者の恥辱感(スティグマ)を無くせると言われている。

Q. どんな生活が可能になるの?

労働に縛られない自由な生き方が可能になる。そのため、労働以外の文化的な活動に集中でき、多様な社会参加が実現できるという期待も持たれている。リバタリアンにとっては、所得の保障で平等な機会を得ることができ、真の意味で自由になれるとのこと。

Q. いつ頃から提唱されるようになったの?

男性稼ぎ主を中心としていた20世紀型の福祉国家が1970年代以降のヨーロッパで限界を迎えた。経済成長が止まり、国内の雇用が現象していったからである。この福祉国家モデルは、女性は家庭で家事労働をすることが前提で社会参加から排除されており、また就労が困難な障害者についても排除されていた。それに対する社会運動の高まりという歴史的側面も。

Q. BIが日本で人気が出てきた理由は?

日本の国家はヨーロッパ型の福祉国家とは異なり、「開発主義」国家と言われている。国家の福祉は希薄で、企業の成長促進による日本型雇用の維持や、地方への公共事業によって生活が維持される社会である。そのため国家の失業保証は抑制され、先進国中でも生活保護受給がより困難。さらに、日本でも90年代以降にグローバリゼーションと新自由主義改革が進行したことによって、そうした仕組みすら急速に解体され、貧困が増大し、BIが支持される一因にも。

Q. BI以外にオルタナティブな方法はないの?

 雇用と社会保障を切り離すとされるBI論とは逆に、雇用と社会保障を連携される「アクティベーション」を重視した政策も提唱されている。これは職業訓練などの手厚い支援に加え、第一次産業や介護のように地域・生活に関する分野などで新たな雇用創出を図るという政策がセット。

論客によるBI論

■「BIと社会サービス充実の戦略を」by 小沢修司
・労働と所得を切り離すためのBI
・社会サービスは別途構想
・増額論に乗ってはいけない
・年金改革や子ども手当がBIへとつながっていく
・新自由主義のリスクといかに立ち向かうか
・福祉国家要求とBI要求は両立しうる
・2010年を仕切り直しの年に
・新自由主義的なBI論との共闘の可能性
・BIは国民国家に限定されるのか?

■「必要判定排除の危険」by 後藤道夫
・福祉国家の限界か、福祉国家の不在か?
・BIは現行の所得保障制度を代替できるのか?
・必要という基準の排除の危険
・社会サービス領域における給付方式の争点
・必要の個別化/多様化

■「情報公開型のBIで誰もがチェックできる生存保障を」by 東浩紀
・生存の保障と承認の保障を切り離せ
・オープンガバメント化としてのBI
・プライバシーを買う時代へ
・労働するインセンティブはなくならない
・正社員進行という日本社会最大の悪
・公共サービスの無償化か、天下り化か
・市場化より消費者のリテラシーが問題
・過剰に国家に依存しない社会を
・運動アレルギーをどう乗り越えるのか
・同床異夢は悪いことではない

■「なぜ働けない仕組みを問わないのか」by 竹信三恵子
・働けるはずと働けないはず
・お札でもどんどん刷って
・財政難打開の切り札?
・連帯の概念簒奪の歴史
・BIを生かすために

■「経済成長とBIで規制のない労働市場をつくる」by 飯田泰之
・結果の平等のための生活保障を
・高すぎる生活保護
・ルールに基づいた所得補償を
・経済成長がないとBIは維持できない
・円安は簡単にできる!
・雇用の流動化で採用が増える
・退職金を少なくして辞めやすく
・既に雇われている人の待遇を下げる
・守られていない賃金規制は撤廃を
・最低賃金は地方では高すぎる
・第2のセーフティーネットは職業訓練か解雇予告手当か
・公共施設ではなく所得補償で公的なセーフティーネットを
・スウェーデンなみの解雇規制緩和を

■「BIがもたらす社会的排除と強迫観念」by 萱野稔人
・労働からの開放は本当に開放なのか?
・労働力が過剰になる成熟社会
・経済成長は歴史的な例外だった
・BIは新たな社会的排除を生み出す
・BIは国家をも労働から解放する
・働ける自由をBIは保証しない
・労働からの開放の先にBIは関与できない
・BIによってもたらされる強迫観念
・BIでは貧困問題すら解決できない
・新しい公共事業で公をつくりだせ
・資本主義は市場経済とイコールではない

などなど

終わりに

多角的にBIが見られる良書!
値段も安いのでオススメ。

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