覘き小平次の書評・感想

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覘き小平次 (角川文庫)

小平次と呼ばれる男は、一応役者であるのだが、しかし一向に巧くならない大根であった。どんな役をやらせてもまともに出来たためしのないどうしようもない男で、しかも無口で陰気でいるんだかいないんだかわからないような希薄な男であった。
しかし唯一、幽霊役をやらせればはまった。というか、それしか出来ないのであるが、しかし小平次の演じる幽霊はさぞ恐ろしいと評判であった。
そんなわけで、いろいろとあって劇団を追われて久しい小平次の元に、幽霊役でと打診が舞い込んだ。奥州でやる興行の是非参加してくれとのことだった。普段押し入れに閉じこもり、ふすまの陰から女房をじぃっと見ているような薄気味の悪い生活をしている小平次であるが、なんだかんだと参加を決めたらしい。
興行は、小平次の幽霊役のお陰で大当たり。相変わらず陰気な小平次であったが、周囲としては大歓迎である。
しかしその興行には裏があった。又市や治平の関わる仕掛けが絡んでいたのだが…。

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