メイン・ディッシュの書評・感想

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メイン・ディッシュ (集英社文庫)

小杉隆一という座付き作家とともに小さな劇団を運営している看板女優・紅林ユリエは、奇妙な同居人と一緒に暮らしている。三津池修というその男は、なんでもない食材を使って奇跡的な料理を生み出す一方で、周りで起こるちょっとした謎を解決する奇妙な才能も持っていた。ミケさんの作る料理を堪能しながら、身近で起こる不思議な事件を解決し、その一方でミケさんの過去が少しずつほどかれていく…。

「ストレンジテイスト」
小杉隆一は原稿を書くのが遅いことで有名なのだけど、その時も劇団は大変な事態に陥っていた。初日を10日後に控えた今、小杉は原稿をまったく書けなくなってしまっているのだ。ミステリ自立てに仕上げた作品なのだが、最後が書き上がらない。ラストが気に入らないから進まないというのだ。
そこでユリエの家にメンバーを呼ぶことにしたのだ。ミケさんの料理は魔法のような力がある。そこでミケさんが小杉に台本のどこがまずいのか聞いていき、なんとミケさんは小杉が考えてもいなかった『真相』を見出してしまう…。

「アリバイレシピ」
大学時代、ほとんど一緒につるんでいた五人の一人である泉谷伸吾からちょっと集まれないかという手紙をもらった滝沢良平。なんでも、大学時代に起こった事件の解決をしたい、というのだ。
それは、ワンコインディナーに関わる事件だった。金がなくなると五人のメンバーは、メンバーの一人であった恩田徹也に500円を渡し、恩田が作る特製のカレーを食べたのだった。
ある時そのワンコインディナーに、紅一点だった伊能由佳里が来なかったことがある。そこから、五人の仲間がその後集まらなくなるきっかけになった出来事が発覚するのだが…。

「キッチンマジック」
ユリエが、街で頻発しているバイクでのひったくりの被害者になってしまった。その時警察の厄介になったのだが、後日また警察がユリエの家までやってきた。
どうやら劇団の面々とミケさんの料理を食べている日、ユリエのマンションの下で殺人事件が起きていたようで、何か物音を聞かなかったか、というのだ。その日は何故か、ミケさんがちょっとしたミスをした日でもあり、それは違和感があったのだけど、事件についてはまったく…。

「バッドテイストトレイン」
滝沢良平は開けてもいない駅弁を前にして、電車の座席に座っていた。そこに、三津池修と名乗る、駅弁好きの男が声を掛けてきた。
駅弁についてのうんちくをあれこれ語ってくる奇妙な男で、別に不快ではなかったが違和感は拭えなかった。
しかししばらくすると滝沢は、別の違和感に気づくことになる。滝沢がいる車両の前後で、明らかに乗っている人の数が違うのだ。滝沢がいる座席周辺はがらがらなのに、もう半分はかなり埋まっている。これはどういうことだろう…。

「マイオールドビターズ」
小杉隆一が怪しい話を持ち込んできた。ビア樽をモチーフに使ったミステリ自立ての劇が好評だったのだけど、それを信州の資産家が自分ひとりで鑑賞したい、報酬は200万円出す、というのだ。完全に怪しい、と思いながらも、ユリエら一行は信州くんだりまで行くことになったのだ。
講演終了後、小杉がとんでもない推理を披露して、メンバーは慌てて指紋を拭きとって帰ろうとするのだが…。

「バレンタインチャーハン」
ユリエがミケさんから教わったチャーハンを作って雑誌に載った後、その担当編集者がユリエのところに泣きついてきた。どうやら謎めいた脅迫文みたいなものが来ているというのだ。それは、そのチャーハンの撮影をした日の日付のみが書かれている手紙で、それがもう何通も送られてきているという。
撮影したチャーハンは、別撮りしたらしい付け合せのスープなんかと一緒に写っていたのだけど、なんだか微妙に違和感のある写真で、それは気になっていたのだけど、撮影自体は問題はなかった。一体この嫌がらせは何なのか…。

「ボトル”ダミー”」
ミケさんが漬けていた梅酒をみんなで飲んでいる時、劇団の一部の人間は、以前あったとある出来事の真相に思い至った。
それは、夏毅組というアングラ劇団で相当注目を集めていた劇団に起こった出来事だった。
松浦とともに劇団を立ち上げた看板女優でもある夏樹裕美は、松浦の死を隠して初日の公演をやる決断をした。
梅酒を飲みながら、当時その出来事に関わっていたメンバーは、真相に思い至ることになる…。

「サプライジングエッグ」
この作品は、まあ諸事情により内容紹介を省きます。

「特別料理」
小杉がとんでもない顔をしてユリエの部屋までやってきた。ミステリ作家としてデビューした小杉であるが、今とんでもない状況に置かれているというのだ。
それは、解決編を考えないままでミステリの問題編を雑誌に掲載してしまった、というのだ。
どうしたらいいのか分からず、謎解きに奇妙な才能を持つミケさんの元にやってきたのだった…。

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