マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉の書評・感想

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マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉 (ピュアフル文庫)

本書は、「氷の海のガレオン」という伝説的な作品を残して以降長い間沈黙していた著者が書いた一風変わった学園小説です。
舞台は、桃李学園という、文武両道の有名私立大学に付属する中高一貫校。その中で、マイナークラブハウスと称される奇妙な建物が舞台になっています。
桃李学園では、全員が何らかの部活に入ることが推奨されていますけど、中には人数の少ない部活もある。部員が5人以上いれば部費も出るけど、そうでなければ部としては存続は出来ても部費は降りない。
さて、マイナークラブハウスとは、幽霊部員も含めて部員ギリギリというような部活が集まる建物なわけです。
本書は連作短編集のような構成で話が進んでいくので、それぞれ紹介しようと思います。

「内田紗鳥、桃園会館に足を踏み入れたる縁」
内田紗鳥はバレーボールの特待生として入学したが、バレー部でいじめに遭っていた。そんな時、ふと迷い込んだ学園の敷地内の林に奇妙な建物があることに気づく。入ってみると、魑魅魍魎がうごめいていて、恐ろしくなった紗鳥は逃げた。
しかし翌日、クラスメートの八雲業平から声を掛けられる。よく思い出してみれば、昨日の魑魅魍魎の一人は八雲君だったようだ。よくわからないままにマイナークラブハウスに連れていかれたのだが…。

「福岡滝、珍妙なる友を得る縁」
中等部で手芸部に所属していた福岡滝は、いっぱしのデザイナーと言っていいほどの才能を持っていた。三年で部長になった時には、一人で山ほどのデザインを生み出し、展示即売会で即完売するというようなこともあった。
そんな滝だったが、高等部の手芸部に門前払いを食らわされることになる。理由は分かっているけど、低俗な連中と一緒になるのも癪で、手芸部は諦めた。
クラスにやってきた畠山ぴりかという転校生と仲良くなった滝は、ひょんなことからマイナークラブハウスに足を踏み入れることになり…。

「高杢海斗、探求への一歩を踏み出したる縁」
マイナークラブハウスに所属する歴史研究会に入った高杢は、マイナークラブハウスの雰囲気に馴染む一方で、奇人変人ばかりの環境にやはり戸惑いを感じていた。中でも変人ツートップである、演劇部の畠山ぴりかと、園芸部でありかつ寮のルームメイトでもある天野晴一朗の二人はなかなかぶっとんでいる。
天野が世話している畑に猫がやってくる、というところから一騒動持ち上がるのだけど…。

「八雲業平、岐路にて痛みを知る縁」
中等部の軽音部部長だった八雲は、とあるライブで出会ったミツアキと共に活動をしているんだけど、自分たちのレベルに合った他のメンバーがどうもいない。今も、高等部の軽音部のメンバーに歯向かって喧嘩別れしたばかりだ。
中等部への近道なんじゃないかと思って通り抜けようとした林の途中で、彼らは音楽を聞いた。なんだか凄かった。聞けば演劇部のメンバーで、時々お遊びでふざけてああやってる、ってことだったけど、もったいない。
というわけで、中等部の学園祭に出てもらうことにした…。

「畠山かおり、目覚めて夢を見る縁」
かおりは、娘のぴりかのことがよくわからなかった。今日もぴりかのことで学校の先生と話をしに行くのだけど、話してどうにかなるものでもないだろう。
話が終わって帰ろうと言う時、声が聞こえてきた。ぴりかの声に似た声もあった。なんだかよく分からないけど、鬼ごっこのような遊びをしているみたいだ。ぴりかは家にいる時とは雰囲気がまるで違っていた…。

「おまけ・マイナークラブハウスの大掃除」
マイナークラブハウスの大掃除を描いた話。

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