氷の海のガレオン/オルタの書評・感想

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氷の海のガレオン/オルタ (ポプラ文庫ピュアフル)

内容に入ろうと思います。
本書は「氷の海のガレオン」と「オルタ」と「オルタ」の続編みたいな感じの「オルタ追補、あるいは長めのあとがき」という三つの短編が収録されている作品です。「氷の海のガレオン」は群像新人文学優秀賞を受賞した作品らしく、本書はそれを初文庫化した作品みたいです。

「氷の海のガレオン」
斉木杉子は、自分のことを天才だと思うことにしている。小学五年生、11歳。周囲の同級生と同じ言葉を喋っているはずなのに、どうしても自分の言葉は周囲に伝わらない。
両親がかなり変わったタイプの人間だった。杉子には兄弟が二人いるが(周防という名の兄と、スズキという名の弟、だと思う)、三人とも周囲の人間と言葉が通じないと嘆いている。母親は(確か)作家で、父親は何をしているんだか子どもたちは知らない。母親も父親も自分の言葉を持っているために、子どもたちも自分の言葉を持つようになり、そしてそれが周囲とかみ合わないのだ。だからこそ杉子は、自分は天才なんだと思い、周囲となるべく交わらずに生きている。
そんな杉子に、まりかちゃんという女の子がついて歩くようになった。まりかちゃんはクラスで弱い立場で、一人でいたくないがために杉子のところへやってくるのだ。杉子には、まりかちゃんがうっとうしくてしかたない。
そうやって気苦労を抱えながら杉子は、庭に生えている「ハロウ」と名付けた木を心の支えにしながら生きている…。

「オルタ」
「オルタ追補、あるいは長めのあとがき」
オルタは、学校という社会にはどうにも馴染むことが出来ないでいる。オルタにとって、学校やクラスメートや先生は不可思議な存在でしかない。オルタにいじわるしてくる少年に、先生はどうしてもっと注意しないのか。オルタはまだ子供なのに、どうして「ババア」と言われるのか。そういう、オルタには理解できない出来事で溢れていた。
オルタと一緒にいると、オルタがどれだけ苦しんでいるのか分かる。きっとオルタに、ちゃんと学校に行くように言えば行ったことだろう。誰に何を言っても仕方ないのだと自分を抑えつけ、辛いことを隠しながらそれでも学校に通っただろう。
しかしどうしても考えてしまう。学校にいかせなくてはいけないのだろうか?

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