レヴォリューション No.3の書評・感想

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レヴォリューション No.3 (角川文庫)

本作は、『ゾンビーズシリーズ』というシリーズの第一弾の作品だそうで、僕はそのシリーズ第二弾の「フライ、ダディ、フライ」を先に読んでいたわけだけど、『ゾンビーズシリーズ』というシリーズだとはまったく知らなかったです。
さてまずは、『ゾンビーズ』ってのはなんだろう、というところからですね。
主人公は高校生で、優秀な高校のひしめく新宿区にあって、一校だけ唯一偏差値の低い学校として存在する高校に通っている。
そこに通う高校生は、いつしか『ゾンビ』と呼ばれるようになった。理由は二つ。偏差値が脳死と判定されてもおかしくないくらいの血糖値しかないこと、そしてもう一つ。
『殺してもしななそうだから』。
さて、『ゾンビーズ』誕生にはもう少し話がある。それには、ある生物の教師が授業中にした話がきっかけだった。
詳しいことは読んで欲しいので割愛するが、結局その生物教師の結論はこうだった。
『お前等は、優秀な女の遺伝子をゲットしろ』
それに感化された連中が、『ある計画』を中心に集まった。その『ある計画』に乗った人間が48人いて、自分達が『ゾンビ』と呼ばれていることから、『ザ・ゾンビーズ』という名前をつけた、というわけだ。この『ザ・ゾンビーズ』は、リーダーのいないまったく平等な関係であり、偶然にも皆、携帯電話とカラオケと巨人軍が嫌いだった。
その『ザ・ゾンビーズ』の面々があれやこれや活躍する、というのが本作の話で、3話を収録した連作短編集となっている。
『ザ・ゾンビーズ』のメンバーについて少し書いておこう。
まずは、南方。これは視点人物で、ほとんど『僕』という一人称で出てくる。この南方というのが、『ザ・ゾンビーズ』のいろんな問題の計画を練る人間で、リーダーではないけど指示は出す、みたいなそんな人間だ。
舜臣というのが、在日朝鮮人2世みたいな感じなのかな、とにかくそういう感じの出生で、身体を鍛えまくってて喧嘩もメチャクチャ強い上に、勉強もすこぶるできる。難しそうな本をいつも読んでいて、割と無口だが、ものすごくいい奴である。
山下。最強の引きの弱さを誇る男で、とにかく『運が悪い』の一言で済ますにはあまりにも哀れな体質の人間。何故か動物は、山下を見ると興奮して襲い掛かってくる。
他にもいろいろいるが、『ザ・ゾンビーズ』のメンバーではないが重要人物を。アギーと呼ばれている男は、いろんな国の遺伝子が取り混ざり、奇跡的な美しさを持った男で、高校生でありながら金持ちマダムの若いツバメをやることで金を稼ぎ、また一匹狼でそれをやるためにあらゆる知識を詰め込んだ男で、女関係はおろか、法律やあらゆる便利ごとまで、有料だがなんでもやってくれる、という便利屋である。
さてそんなわけで、それぞれの内容を紹介しようと思います。

「レヴォリューションNo.3」
先ほど書いた『ある計画』を実行するという話。『ある計画』とは、近くにある超頭のいい女子高の学園祭に乗り込んで、あわよくば彼女をゲットしよう、という作戦である。しかしこの女子高の学園祭は敷居が高い。完全チケット性になっていて、普通の輩では校舎内に入り込むことがまずできないのだ。
1年目2年目と、考えた作戦を実行したがなかなかうまくいかない。今年でラストチャンス。一体どうするか…。
一方で、リーダーのいない『ザ・ゾンビーズ』にあって、リーダー的な信頼を得ていたヒロシが、かなり重症な病気のために入院してしまっている。なんとかならないか、なんとか…。

「ラン、ボーイズ、ラン」
ヒロシが死んでしまった。沖縄に墓参りに行こう、という計画が『ザ・ゾンビーズ』の中で沸き起こって、じゃあみんなバイトな、ってことになる。お金もたんまりたまって、よし予約でもするかなんて話になった時に、事件は起きる。
きっかけは、山下の親戚だかが旅行会社に勤めているだかで、割引に出来るよ、と持ちかけたことだった。条件は一つ。そのお金を全部山下が預かっていくというものだ。金融関係に就職先が決まっていた山下は、ここでお金の管理をばっちりして幸先いいスタートにしたかったのだ。
しかし、もう予想通りというか、山下は不良連中にカツアゲに遭い、100万以上の大金を持っていかれた。ならば『ザ・ゾンビーズ』としては、金を取り戻すまで…。

「異教徒たちの踊り」
時間としては、「レヴォリューションNo.3」よりも前の話。まだ広しが入院する前の元気だった頃の話。
南方の元へと電話が掛かる。夏休み初日。井上という『ザ・ゾンビーズ』のメンバーの一人が、南方にこう言った。
『美女が命を狙われてる。助けてやってくれ』
話を聞くと、どうやらストーカー的な変態がある女性の元につきまとっている、という感じらしい。なんだそんなことか、と初めこそ高を括っていた南方だが、そんなことを言ってもいられない事態になり…。

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