モップガールの書評・感想

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モップガール (小学館文庫)

本書は、特殊な清掃会社でアルバイトをすることになった長谷川桃子を主人公にした、4編の短編が収録された連作短編集です。
まず全体の設定から。
長谷川桃子は、自分の才能を活かせる場がどこかにあるはずだと思い、前向きな気持ちでフリーター生活をしている女の子。清掃のアルバイトの広告を見て面接に行くと、その日の内に現場に行かされることになったのだけど、なんとそれが死人が出た部屋の清掃だった。そういう特殊な清掃も扱っている会社だったのだ。
犬のことしか頭にない社長、売れない劇団に所属しその時その時で振られる役になりきって日常生活を送る重男、イケメンの癖に能面のようでほとんど喋りもしない遅刻魔・翔、そんな翔にガツガツアプローチを掛けているギャルファッション全開の未樹など、変人だらけの中、時代劇オタクの桃子も次第に馴染んでいく。
桃子は時折片耳だけ難聴になるのだが、そのタイミングで特殊な清掃現場に行くと、五感のどれかがおかしくなるという異常が起こる。その現場に関わりのある人の思いが桃子に何らかの影響を与えているようなのだが…。

「おわりの町」
会社経営者の妻が殺された現場を清掃中、何故か外国の風景が浮かび、以後その光景に悩まされることになる。事件に関わりがあるのだろうと思い、翔と一緒に事件を調べることになるのだが…。

「赤い衝撃」
飛び降り自殺の現場付近の道路を清掃した直後、何故か高級フランス料理を食べることになった桃子だったが、そこで突然、どんなものを食べても「赤いきつね」の味しかしないようになってしまう。そこで今度もまた翔と一緒に、飛び降り自殺をした人について調べることになるのだが…。

「ファンハウス」
元華族が住んでいたという、廃墟と化した洋館を清掃することになった一向だが、そこで桃子は死体を見つけてしまう。どうやら、認知症を発症し施設にいたはずの元当主のようだ。その直後、桃子の鼻がある匂いしか感じられなくなってしまう。どこかで嗅いだことがあるその匂いの原因を探るべく、また翔とその華族について調べるのだが…。

「ブラッシュボーイ」
翔が明らかにおかしい。これまでに関わったいろんな事件でも、なんとなくおかしいという断片は垣間見えていたが、やはりいつもとは違う。
そんな折、とあるきっかけで知り合った人の会社の社員が行方不明になっていることを知る。それが翔が調べている件に関わってくると直感した桃子は、独自にその行方不明になった社員について調査を始めるのだけど…。

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