死日記の書評・感想

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死日記 (小学館文庫)

まずは構成から説明しましょう。本作は、大部分を日記が占めています。その合間に、刑事による取調べのシーンが挟み込まれる、という形式です。
日記の書き手は、中学三年になったばかりの田口潤。14歳。三年に進学したことをきっかけに、日記をつけることにした。日々の内容は短いながらも、ほぼ毎日きちんと書いている。
彼が書く日常は、お世辞にも幸せとは言いがたいものである。実の父親の死後、家に寄り付くようになった加瀬という男。母親の新しい彼氏らしいが、潤は加瀬とは反りが合わない。定職はない。ギャンブルはする。そして何よりも実の父親と同じく、母親に暴力を振るうのである。それでも母親は、加瀬の元を離れようとしない。次第に潤のことを置き去りにするようになった母親。潤の孤独は続く。
そんな彼の生活を支えてくれた人々も大勢いる。働かない母親と加瀬のせいで日々貧しい生活を強いられていた潤は、新聞配達のアルバイト先で、同級生の家で、学校の先生に、隣近所のおばさんに、ととにかく様々な人に目をかけてもらって、日々をなんとか生きている。
母親への愛情は失わないままに、しかし荒んでいく日々。そんな中で潤は、次第に不幸な事件に巻き込まれるようになっていく…。

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