ナイチンゲールの沈黙(上)の書評・感想

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ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

本作は、大ベストセラーとなった超話題作「チーム・バチスタの栄光」の続編で、田口&白鳥のコンビが活躍します。というわけで、この二人のことをざっとまず書いておきましょう。
田口は、東城大学医学部の神経内科病棟に勤める講師である。田口は、院内政治に巻き込まれたどさくさに設立した、不定愁訴外来という患者の愚痴をひたすらに聞くだけという部署の唯一の専任であり、大学病院内でかなり特異な地位を占めている。院長とも直接の関わりがあったり、リスクマネジメント委員会の委員長を務めたりと、何かと忙しいが、普段は患者の愚痴を聞いたり、そうでなければ暇を持て余している不良医師である。
一方で白鳥は、厚生省に勤めるお役人である。本来閑職の地位に甘んじていたはずなのだが(本人には甘んじていたという感覚はないだろうけど。きっと、どうでもいいと思っていたはずだ)、ウルトラCのミラクルによって厚生省の最前線のトップに返り咲いた不死鳥。田口にロジカル・モンスターと呼ばれるほど論理的でありながら、言動は無茶苦茶で、その内容をきちんと理解することのできる人間はほとんどいないだろう。傲岸不遜や傍若無人がスーツをきてネクタイを締めているような男で、白鳥の行くところ、常に小さなトラブルが多発する。それでも、その超キレる頭脳を使って問題を解決に導く手腕はなかなかのものである。
そんな二人が活躍するシリーズの第二弾である。
浜田小夜は、忘年会でトップ賞を獲るだけの歌の実力の持ち主だが、普段は小児科で看護師をしている。今小児科には、レティノブラストーマ(網膜芽腫)と呼ばれる目のガンを患った子供が二人入院している。レティノブラストーマの治療法は唯一、眼の摘出しかない。子供の一人はまだ、眼の摘出が必要なことは知らないし、もう一人はそのことを知っているが、どうしようもない父親が病院のこないために事態は進展しない。小夜は二人を日々気にかけている。
さて一方で小夜は、同僚の翔子と共に、偶然誘われたある大物歌手のシークレットライブに潜り込んだ。水落冴子という名のその歌手は、デビュー当時は鳴かず飛ばずだったのだが、最近突如として注目を浴び始め、今では伝説と化している歌手である。
そのシークレットライブで冴子が吐血して倒れた。居合わせた翔子と小夜は急いで東城大学医学部まで搬送したが、いろいろあって冴子は、田口のいる神経内科病棟に収容されることになり、しかも田口が担当することになった。
その田口は、小児科の以来を受けて、レティノブラストーマである子供二人を含む計四人の不定愁訴外来を受けるハメになってしまった。初めての、小児愁訴外来である。田口のよくわからないままに、看護師である藤原さんの采配でことがどんどん進んでいくが、いつもの感じがなかなか取り戻せない田口である。
さてそんな時、レティノブラストーマであり子供の、そのどうしようもないという父親が他殺体で発見された。院内は様々に混乱し、そこに何故か白鳥が現れ、さらにあの白鳥をこき使う刑事が現れたりと大混乱。いつにもまして田口は巻き込まれっぱなしで、よくわからないけどなんだかいろんなテープを聞くハメになったりする。
父親を殺したのは一体誰なのか。そして、小夜の歌に隠された秘密とは一体何なのか…。

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