GOTH 夜の章の書評・感想

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GOTH 夜の章 (角川文庫)

森野と<僕>は、周囲から孤立しながら、罪悪感を感じることなく犯罪の観賞を楽しみ愉悦とする。正義感や義務感などなく、異常殺人者にシンパシーすら感じてしまう。
そんな二人が、自ら望んで、あるいは巻き込まれて事件に関わっていく物語である。
六編ある。普段ならば全ての紹介はしないだろうけど、今回はする。気まぐれではない。

「暗黒系 Goth」
森野が喫茶店で拾った手帳。そこには、世間を騒がせていた猟奇殺人についての描写が書かれていた。まだ報道されていない三人目の被害者の記述を見つけた二人は、その死体を捜すべく山へと向かうが・・・

「リストカット事件 Wristcut」
手首だけ切られるという事件が多発している。手首に魅入られた男と、ある手首に魅入られた男の物語。

「犬 Dog」
飼い犬が誘拐されるという事件が頻繁に起きる。殺すために犬を誘拐する少女と、いつしか首を突っ込むようになった<僕>の物語。

「記憶 Twins」
双子として生まれた森野。幼い頃死んだ妹の話を<僕>にする。<僕>は森野の生家へ赴き、森野の過去を知る・・・

「土 Grave」
善人として生きてきた男は、何かを埋めるという衝動を常に持ち続け、抑え切れなくなった欲望を表に出してしまう。何故そんなことをしなくてはいけないのかわからない男と、また首を突っ込むことになった<僕>の物語。本作中最も美しく、最も好きな作品です。

「声 Voice」
姉を無残な形で殺された妹。家族は荒み、以前の面影すらない。彼女は名も知らぬ男からテープを受け取ることになる。そこには、死ぬ間際の姉の声が・・・。かなり素晴らしい作品です。二番目に好きです。

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