繁栄まとめ!マルサスの罠からカタクラシーの歴史

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繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)

第6章  マルサスの罠を逃れる

人口の傾向
 食料が豊富な場合:人口が増え、分業化が進展する。
 食料が希少な場合:人口が減り、専門化を断念。
⇒人間集団の専門化の盛衰のサイクル。

1300年まで、欧州は人口に対する食糧生産の減少に対し、労働集約型の勤勉革命を起こす道を辿っていた。しかし、1340年代の黒死病の流行により人間の代わりに動物や自然の力を使役する事になったと著者は説く。ここで、著者は役畜よりも人間が安く使用出来た例として江戸時代の日本を上げており、技術市場が衰退している。

第7章  奴隷の解放

産業革命による生産の機械化が、あらゆる階級の所得を押し上げ、奴隷を解放した事について。
近世の英国において何故爆発的にイノベーションが起こったのか?
 ①自由な交易
  他の地域では小規模の領主により分割され通信の不足によって
  小集団に分割されていた。
  英国では「名誉革命」によってオランダの資本が流れ込み、
  オランダにならった国策として、権利章典により商人の議会が力
  を得ていた。財産権の尊重。
 ②世界市場
  入り組んだ海岸線のおかげで海上交易を広げられた。
 ③囲い込み運動
  自給自足から現金経済に逃げ込む人達が増加した結果、労働者と
  消費者が増加し需要と供給が増えた。
⇒急増する製品への需要によって、生産手段の「発明」への需要が増えた。
ここで、経済学者ピエトラ・リヴォリの意見。
奴隷の運命を決めたのは労働市場の危機でなく、労働市場の廃止だった。⇒労働集約的な生産活動を奴隷が担ったため、他の人々の生活が向上したと言っている。

著者は電力は人間の奴隷であるとしている。化石燃料が人間の代わりに働いてくれる。自然エネルギーよりも原子力発電に期待しているように読める。

第8章  発明の発明

著者はイノベーションの源泉をトップダウンの科学思想や資金、特許、政府ではなく、「交換」にあるとしている。知識は複製され拡散し組み合わされる事で進歩するとしている。知識は無尽蔵。

第9章  転換期

悲観主義者が主張する「転換期」への批判。「古き良き時代は終わった。未来は真っ暗だ。」という意見は昔からあったが、社会の進歩を考慮しないものだったとしている。
明朝の皇帝や毛沢東の実施した成長の制限が実現する事を恐れている?

第10章 現代の二大悲観主義

現代の2つの悲観
 ①アフリカの貧困
 ②気候変動
⇒著者はこの2つは両立不可能としている。アフリカが成長しなければ、気候が変動するほど二酸化炭素は排出されず、気候が変動するなど自然要因がなければアフリカは経済的に豊かになるだろう。

また、著者は長期的にみて新しいイノベーションが発生しない確率を低く見ており、それゆえ、21世紀も繁栄は起こるとしている。

第11章 カタクラシー

カタクラシー:交換と専門化。
著者は2100年に向けて交換と専門化が進展すると予想している。危惧している事は、ネットワークにより世界が緊密に結びついた結果、一つのアイデアによって世界が一色に染められてしまう可能性。しかし、人間の性質が変わる事はなく、善又は悪に触れる事はあっても、人類は生活を豊かにし続けていくだろうとしている。

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