人間の行動・思考・知能の基本原理は探索可能か?知性誕生のまとめ

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知性誕生―石器から宇宙船までを生み出した驚異のシステムの起源

プロローグ 混沌から秩序へ

人間の行動・思考・知能の基本原理は探索可能か?

第1章 「知」は力なり

人間の行動・思考の説明として、理性によるものがある。

別の見方として、人間は生物学的限界を持った生物学的機構だ。

科学の客観的分析を人間の心に適用すると、「自由行為者」として人間を定義する事の矛盾が浮かび上がる。自分は最高の合理的意思決定者では無い。

第2章 能力差はどこで生じる

「知能検査」について。人間の能力に以下の2つの寄与があるとする。
①一般因子(GENERAL FACTOR):
 取り組む全ての課題に当人が用いる性質。(Gと呼ぶ。)
②特殊因子(SPECIFIC FACTOR):
 記憶・芸術等の特定の課題にのみ用いられる性質。

第3章 モジュール性の脳と心

脳の構造について。
どのようにして、膨大な数の小さな細胞が行動を指示するのか?
脳は各部位によって遂行される、機能単位に分けられるだろうか?

別々のモジュールで構成される脳は、どのように統合され、協働するのか?

第4章 知識と行動を結ぶもの

特定の活動に寄与するS因子の理論とモジュール性の理論は似ている。では、G因子をどのように説明するのか?

G因子を測る方法
①多くのテストの成績を平均する。
②レイヴンの行列のような視覚パズルを用いる。

著者が行った研究。
(内容)
バス運転手の訓練生に心理テストを実施し、誰が訓練を上手く実施するか調べる。
テスト1:ヘッドフォンの右耳と左耳に違う音を聞き、数字が
     聞こえた場合、復唱する。
     ヘッドフォンを通して高い音が聞こえたら右耳で、
     低い音が聞こえたら左耳で聞くように指示した。
テスト2:埋没図形検査。模様の中に隠された単純な図形を探す。

⇒著者は奇妙な被験者が存在する事に気付く。テスト1で規則を説明しても、テスト中に高い音や、低い音が聞こえているのに注意を切り替えようとしない。その種の被験者はテストで練習が必要で時間がかかった。その被験者達はテスト2でも上手くいかない。
⇒その被験者達は、必要な情報を持っている、音を聞いている、規則を知っている、課題をこなせる。しかし、課題を実施する事自体に注意を集中出来ない。テスト2を実施するには模様を分解し、当て嵌まる図形がないか検討するよう能動的に自分に指示を出す必要がある。
⇒彼らは、行動を能動的に支配し、注意を必要する部分に集中し、実現させる能力が低いのではないか?神経心理学では、前頭葉に損傷を受けた患者が行動を能動的に具体化出来ない。知識と行動が結びつかない。しなくてはならない事は分かっているいるが、実施しない。
⇒テスト1、2は両方とも前頭葉の機能(G因子)に関連している?

第5章 人口知能から「思考」を探る

人口知能が行うのは推論の連鎖。しかし現実世界では、推論が間違っている可能性がある。推論が99%正しくても、連鎖する内に間違いが拡大する。人間は類推によって他人が自分と同じ体験をしていると仮定する。機械は、そうでない事を確実視するかもしれない。この問題に取り組むには概念上の革命が必要になる。

第6章 前頭葉で起きていること―サルの食事から戦闘指揮まで

前頭葉損傷の患者は、計画の中で関連の有る思考と無い思考が入り混じる。認知上の概念の生成に失敗している。

第7章 「理性」は何でも合理化する

認知上の囲い地―焦点は効果的な思考にとって有効。しかし、それは不合理な思考経路に引きずり込まれる事であるかもしれない。理性とは証拠が結論に繋がる事でなく、結論が選ばれ、その後に証拠が集められる事。極端な場合、理性は合理化へと堕落する。

第8章 「知」の生物学的限界 

脳が、どのように分散し、かつ、全体的に統合されるのか著者の試みは始まったばかり。人間は理性によって、どこまで認識するのか?人間の推論機械は神経細胞で作られた機械に過ぎない。それは、自身の生物学的境界を超える事は出来ないだろう。

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