原稿零枚日記の書評・感想

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原稿零枚日記

本書は、またこれが実に内容紹介のしにくい作品です。
体裁としては、ある小説家が書いている日記、という形で進んでいきます。しかも本当の日記らしく、凄くたくさん書いてある時もあれば、2ページぐらいで終わってしまうこともあったりで、それぞれ内容を紹介するのが難しいですね。なので、割とページ数が割かれていて、気になったいくつかの話だけ内容紹介をする、という感じにしようと思います。

「十月のある日(日)」
私は、近所の運動会という運動会を周る綿密なスケジュールを立てたにも関わらず、ある一校はIDカードなどを導入し、部外者が入れないようになってしまった。
今日は隣町の小学校の運動会。関係者ではないという気配を消し、まるで誰かの母親なのだという雰囲気をうまく醸し出しつつ、私は関わりのない学校の運動会を見学する。

「十一月のある日(木)」
私は、新聞などで盗作騒ぎがあるとドキドキする。それは、作家として自分が盗作をしてしまうかもしれない、ということではない。既に私は、盗作をしてしまっているのだ。
あれは、マルセイユの空港から乗ったバスの車中でのことだった。私の隣に、『有名な作家』が座ったのだが、なんと私はその作家の名前をど忘れしてしまい、どうしても思い出せない…。

「一月のある日(火)」
私は、公民館の市民講座『あらすじ教室』を不定期で受け持っている。表向き、古今東西の文学作品のあらすじをたどることで内容を分析批評する、ということになっているが、私はただあらすじを朗読するだけで分析も批評もしない。
私があらすじに関わるようになったのは、かつて新人賞の下読みをしていた頃に遡る…。

「五月のある日(日)」
神社でたまたま見つけた「子泣き相撲」の案内。当日足を運んでみると、そこにはたくさんの赤ん坊がいた。私は想像する。近隣の高校相撲部の人らしい力士に赤ん坊が手渡される。力士が赤ん坊を親に返そうとするも、親がやってこない。そういうことはないのだろうか。そういう時に、まるで自分の子であるように、その赤ん坊を受け取りに行ったらどうなるのだろう…。

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