寡黙な死骸 みだらな弔いの書評・感想

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寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

「洋菓子屋の午後」
店主のいない洋菓子屋。冷蔵庫の中で死んだ息子。苺のショートケーキ。時計台のある街。背中を向けて泣く女。

「果汁」
あまり親しくないクラスメイト。知らない男性との三人での食事。ひそやかさを身に付けた少女。部屋に積み上げられたキーウィの果実。

「老婆J」
向かいの部屋に住む大家の老婆J。キーウィ畑。老婆Jの度々の来訪。小説。手の形をした人参。

「眠りの精」
止まったまま動かない電車。静かな車内。電話で知らされた、一時母だった女性の死。動物園に行った記憶。小説を書いていた母。

「白衣」
秘書室のパートナー。呼吸器内科の助教授との不倫。進まない離婚話。電車が止まったという言い訳。汚れた白衣。ポケットから落ちるモノ。

「心臓の仮縫い」
どんな鞄でも作ることのできる職人。心臓の鞄。心臓が外に飛び出した女性。その美しさに張り切る職人。手術を受けることになる依頼人。鋏を持ち病院に佇む職人。

「拷問博物館へようこそ」
階上で起きた殺人事件。彼氏の機嫌を損ねてしまった会話。飛び出した部屋と辿り着いた拷問博物館。居並ぶ拷問器具。正装した執事。

「ギブスを売る人」
評判のよくない叔父。お土産をくれる叔父。背の伸びるギブス。拷問博物館とベンガル虎。ゴミに埋もれた叔父。

「ベンガル虎の臨終」
呼吸器内科の助教授の妻。不倫相手の女性の元へと車を走らせる。道路に散らばるトマト。ぐしゃりと潰れるトマト。ふと迷い込んだ庭先で、息絶えようとするベンガル虎。

「トマトと満月」
チェックインした部屋に何故かいた女性。連れられた犬。拾ったトマト。度々顔を合わせる犬を連れた女性。胸に抱いた、大事な原稿用紙。

「毒草」
美しい声の少年。奨学金の申し出とその対価。少年を呼んで、その声を聞く。引き込まれそうな美声。迷いと不安の入り混じった電話。途絶えた関係。整然と並ぶ冷蔵庫。

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