第六大陸〈1〉の書評・感想

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第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

本作は、一言で言ってしまえば、月に有人の建造物を造ろう、という物語です。
西暦2025年。サハラ砂漠、南極、ヒマラヤ高地など、ありとあらゆる極限状況下での建設事業で、他の追随を許さない驚くべき仕事をこなす後鳥羽建設。つい最近、後鳥羽建設が完成させた「ドラゴンパレス」。南紗諸島の二千メートルの深海に建設されたその建造物へ、最初の賓客を送る海底船「リヴァイアサン」の乗船する、後鳥羽建設の社員青峰走也は、「リヴァイアサン」内で起こったトラブルを無事回避しつつ、「ドラゴンパレス」完成にほっとしているところであった。
その青峰に、思いもよらぬ話が舞い込んでくる。「リバイアサン」内で知り合った老人と少女。青峰の仕事を評価し、「ドラゴンパレス」内で、月に建物を造る予定だと大法螺を吹いたのはなんと、名古屋を中心に展開する一大テーマパーク「東海エデン」を運営する桃園寺グループの会長とその孫娘であり、その二人から正式に、月に基地を造れと申し込みがあった。しかも、主導者を青峰に指定して。
工期10年、予算1500億。
後鳥羽建設以外では不可能なその一大事業を完遂させるため、青峰を初め様々な人間が東奔西走することになる。
月に有人の建造物を造る。その完成までも、小説とは思えないディテールを有しながらも、一方で人間をしっかりと描き、また「プロジェクトX」を見ているかのような、失敗とそのリカバーを、精緻に描いた物語。

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