the TEAM ザ・チームの書評・感想

1894views黒夜行黒夜行

このエントリーをはてなブックマークに追加
the TEAM ザ・チーム (集英社文庫)

テレビの霊能番組で大活躍する、盲目の霊導師能城あや子。彼女は招霊木(オガタマノキ)を振りかざすことで霊視が出来るという触れ込みで、これがまた滅法当たる。霊視によって社会的な事件さえも解決に導いてしまうほどで、個別の相談は30分8万円なのに5か月待ちという盛況っぷり。能城あや子は凄腕の霊導師なのだ…。
というのは真っ赤な嘘。本当は能城あや子は霊の存在なんかこれっぽっちも信じていない。彼女のバックには、超強力な調査チームが控えていて、「マル対」と呼ぶ相談者についての情報を片っ端から洗い上げていくのだ。
弱き者を助けるために、今日も彼らはマル対の調査に勤しむ…。

「招霊 おがたま」
どこにでも不法侵入し情報を探し当てるプロである草壁賢一は、今回のマル対である桂山博史を尾行していた。奇妙なことが立て続けに起きていることを相談にやってくるらしいが、どうもおかしい。桂山は、能城あや子の霊視がインチキであると暴こうとしているジャーナリスト、稲野辺俊朗と会っていたのだ。
桂山の自宅に侵入すると、心霊写真が見つかった。なるほど、この心霊写真を使って能城あや子の霊視がインチキであることを暴く腹らしい。さらに調査を続けると、桂山のスケジュールには毎年必ずある日に特別な印がつけられていて…。

「金縛 かなしばり」
凄腕のハッカーである藍沢悠美は、あることがきっかけで才能が開花することになった。大学時代、知り合いにパソコンを使ってイタズラをしていた男を懲らしめてやったのだ。
今回の相談者は杵淵珠絵。毎晩金縛りに遭い、しかも起きると体にアザが出来ている。どうしたらいいのか、という相談だが、この相談で藍沢は思いも掛けない過去と出くわすことになる…。

「目隠鬼 めかくしおに」
能城あや子のマネージャーである鳴滝昇治は、相談者松原美智子の集録に立ち会っていた。恐らくスタッフは捨てネタだと判断するだろうが、鳴滝が一番手ごたえを感じている案件だ。
一か月前、草壁が調査を開始した時、松原美智子については何も出てこなかった。戸籍も住民票も何もないのだ。しかし、草壁がようやく子供と写った写真というとっかかりを掴み、藍沢がそれを膨らませ、福岡出身であることが分かった。他の調査もあって身動きの取れない二人の代わりに、今回は鳴滝が福岡に飛ぶことにしたのだが…。

「隠蓑 かくれみの」
フリーのジャーナリストである稲野辺俊朗は、何とかして能城あや子の化けの皮を暴きたいと思っていた。以前も桂山という男と組んで罠を仕掛けたのだけど、完全に返り討ちにあった。能城あや子本人に取材を申し込んでも断られるばかり。それなら、と5か月待って偽名で相談者として能城あや子と会うことにしたのだ。
稲野辺の正体はすぐバレたが、稲野辺にはネタがあった。以前能城あや子の相談を受けた品田澄子は、能城あや子の助言を受けて輪島に行ったが、そこで毒物の混入事件に遭い命を落としたのだ。能城あや子の託宣が完全に間違っていたことを示すことが出来るはずだった。
しかし能城あや子はなんと、その事件の真相について話し始めるではないか…。

「雨虎 あめふらし」
草壁は、次の収録のマル対である主婦の自宅にある地下のワインセラーにいた。ここで幽霊の声が聞こえるという。どうせ気のせいだろうと思っていたら、何と草壁にもその声が聞こえてしまったのである。これは徹底的に調べるしかない。
家中を調査して回ったが、音源になりそうなものは一向に見つからない。ふと思いついた。音源が家の中にあるとは限らないのではないか…。

「宿生木 やどりぎ」
次の相談者であったはずの恩田光枝が自殺したという話を草壁が拾ってきた。若い頃に一人子供を堕ろしていて、そのせいで一人息子がよくないことになっているのではないか。出来れば水子の霊の供養をして欲しい、という話だった。
一人息子を残して自殺してしまったことが腑に落ちなかった藍沢は、休みの日を利用してこの件を調べてみることにした。恩田は、薬の瓶詰めという内職をしていたが、それがどうも怪しい…。

「潮合 しおあい」
能城あや子のかつての仲間である五十嵐匡弘という男が現れた。かつて同じ劇団で経理をしていた男だ。五十嵐は、ビデオテープを3本持って金を要求してきた。そこには、偶然映ってしまった、マル対の自宅を捜索する草壁の姿が映っていたのだ。
鳴滝は、かつての劇団の頃のことを思い出しながら、能城あや子の危機に対処していくが…。

「陽炎 かげろう」
稲野辺俊朗は、能城あや子についてのとある内部告発を入手した。とあるビデオに、能城あや子と関わるかもしれない不法侵入者の男が映っていたのだ。これをネタに今度こそ能城あや子の正体を暴くことが出来るかもしれない。
さっそく稲野辺は罠を張り、能城あや子を追い詰めるべく策を練るのだが…。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く