僕の妻はエイリアンの書評・感想

3084views黒夜行黒夜行

このエントリーをはてなブックマークに追加
僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)

本作は、高機能自閉症という障害を持った妻と、その妻と一緒に生活をしている夫の、噛み合わない日常生活を描いたノンフィクションです。
自閉症というのがまず誤解されている部分が多いような気がします。僕もちょっと前は、漢字の字面から、「引きこもり」と同じような意味だと思っていたんですけど、全然違うんですね。
自閉症というのは、生まれつき脳の作りが人と違っていて、社会に適応したり、他者とコミュニケーションを図るのが難しい人のことを指します。伊坂幸太郎の「陽気なギャングが地球を回す」にも、自閉症の子どもが出てきたような気がします。
その中でも、「高機能自閉症」と呼ばれるのは、大雑把に言ってしまえば自閉症の中でも社会への適応度が高いよ、ということです。社会への適応度が高いならいいじゃないか、と思うでしょうけど、これが違うんですね。社会への適応度が高いからこそちょっと問題になるわけです。
社会への適応度の低い自閉症の場合、明らかに周りとうまくやっていくことが出来なかったり、そもそも言語に障害があったりするので、子どもの頃に大抵障害を持っていると診断されることになります。
しかし、高機能自閉症の場合、ある程度社会へ適応できるだけの能力がある分、障害を持っていることが分かるまでにものすごく時間が掛かることになります。本書のケースでも、妻が自閉症であるということが分かるまで、結婚してから8年の歳月が必要だったわけです。20代の前半で結婚したのだとしても、30年近く障害を持っていることを本人も周囲も分からなかったわけです。これが、社会への適応度がそこそこ高いからこその弊害となります。
障害を抱えているということが判明するまで妻は、性格が悪いとか自己中心的だとか、そういう性格の問題であると思われてきました。妻も、自分自身何かが悪いことは分かっていましたが、どう悪いのかがまったく分かっていなかったためにコミュニケーションを初めとする様々なことに臆病になり、その結果うつに近い症状になったりします。自閉症を持っている人は大抵二次障害としてうつを抱えることが多いようです。
まあそんなわけで、そんな高機能自閉症という障害を抱えて生活をする妻とその夫の話

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く