日の名残りの書評・感想

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日の名残り (ハヤカワepi文庫)

わたくしスティーブンスは、かつてダーリントン卿という高貴なお方が住まわれていたダーリントン・ホールで、ずっと執事をしてきた男です。今ではダーリントン・ホールはファラディ様というアメリカ人の手に渡り、ファラディ様が現在のわたくしの主人ということになります。
そのファラディ様がちょっと家を空けるということでございまして、その間私に暇を出されました。屋敷にばかり籠っていないで、たまにはイギリスの素晴らしい景色でも見に行ってくればいい、と。
初めはその申し出を固辞するつもりでありましたが、かつてダーリントン・ホールでメイドをしておりましたミス・ケントンから来た手紙をきっかけに考えが変わりました。旅行のついでに、ミス・ケントンに会うというのはどうだろうか。
というのも、現在のダーリントン・ホールとの状況とも少し関わりがあるのです。現在のダーリントン・ホールは、かつて栄華を極めた頃とは大きく変わり、かなり人手不足でございます。ファラディ様は、まあなんとかその人数でやってみて、というようなことを申されますが、細かな部分にまで配慮を行き届かすというのがなかなか難しくなってまいります。
そこへ、ミス・ケントンからの手紙です。もしミス・ケントンがダーリントン・ホールに戻りたいという意向を持っているのならば、これほどに心強いことはありません。これは一つ、打診してみる価値はあるのではありますまいか。
というわけで、自動車での旅に出た次第でございます。慣れない旅にまごつく場面も多々ありましたが、概ね順調に旅をすることが出来ています。
その過程で、どうしてでしょうか、昔のことを思い出すことが増えてまいりました。栄華を極めた、あのダーリントン卿にお仕えしていた頃のことです。様々なことがありました。もしここでこうしていたら、ということもございました。わたくしの執事人生は、どうだったのでございましょうか?

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