死刑囚による死刑囚のための死刑本。死刑絶対肯定論

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死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)

about

無期懲役囚の筆者が日々を共に過ごす受刑者たちの心情や考え方をインタビューや日々の生活を通して感じられたことを綴った本。
主観的な文章が目立つが、刑務所のリアルを反映していると思われる。

ほとんどの殺人犯は反省しない

■窃盗
・殺人に及んだ第一の理由は、発覚し逮捕され服役したくなかったというもの
・妨害や抵抗されて激情に駆られて暴行というのもある

■放火
・殺意は無いが結果的に人を殺めた者ばかり
・人付き合いを避ける傾向を持っている

■計画的な殺人犯
・衝動的、激情型、好戦的など世間が描く殺人犯のモデルに近い
・切れるまでのレスポンスタイムが異常に短く、過剰に怒りを表す

■喧嘩
・計画的な殺人犯と似たタイプが過半数
・被害者への謝罪の意識はなく、寧ろ非難や恨みのほうが強い

■暴力団
・同じ暴力団員同士ならば生命を奪ってもいいという独特な価値観
・罪の意識はないが、相手の冥福を祈る者がほとんど

時間が経つにつれて、反省や改心・更生について話す頻度が減少。出所後の目標は多くの者が持っていない。服役することは最早、苦ではなく、効率よく生活するための手段でしかない。

殺人罪の厳罰化は正しい

・受刑者の間では服役10年なんてあっという間という共通感覚
・日々の生活は保証され、ある程度自由なので刑務所は悪党ランドのような感じ
・一般的な殺人は「判例主義」より、自動的に判決が下される
・服役者には反省や謝罪や改悛の情は皆無
・1度殺人を犯すと殺人の心理的抵抗が減る

犯罪に対して、ただ闇雲に厳罰化することは社会復帰の妨げになるという意見もあるが、少なくとも服役歴のある殺人事件の受刑者の場合、出所後にまじめに働こうと更生しようというものがほとんどいないので意味が無い。また、20年の刑が15年になろうと、更生意欲のないものには全く関係がない。更生意欲があるものは刑が長くとも努力している。

不定期刑および執行猶予付き死刑を導入せよ

受刑中の態度が悪かったり、反省や改悛の情が表面的にも見られない場合は検察官あるいは裁判官の決裁を受けて刑期の延長が出来る制度。他にも自分の犯したことを振り返らせ、自覚させる意味で強制的にレポートを書かせるなどもする。

無期懲役囚の真実

・模範囚の場合は30年弱、通常だと40年弱で仮釈放
・所内で違反をすると1回につき刑期が1年伸びる
・刑罰の目的が己の罪に向き合い、改善することならただでさえ反省しない受刑者に終身刑を貸すことは逆効果
・社会人として矯正するのが刑務所の役目だが、指導員の数が絶対的に足りていない

とある死刑囚との対談
Aとの対談
死刑を意識したのはいつか?
「パクられてから。死なせた相手を考えるようになったのは、死を意識してから。」

Bとの対談
どうして反省しないのか?
「事実認定に納得していないから。亡くなった人には悪いけど、運が悪かったとしか言いようがない。控訴し、上告してもどうせ刑が変わることはないだろう。死ぬならそれでいいじゃないか。遺族も俺が処刑されたら気がすむんだろう。」

無期懲役から裁判員への実践的アドバイス

・「更生の可能性」は考慮する必要はない
・被告人の表情や態度をよく観察すること
・被告人は法定で嘘をつく
・達成感を感じることが目的ではなく犯罪行為の責任を決めること
・死刑の求刑を恐れない
・裁判官個人の信条に流されない

終わりに

刑務所には科学が絶対的に足りていないと思った。客観的なデータがあればもっと客観的な意見が出るはずなのに。ちょっと残念かな。

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