動物学者オーデュボンの祈りの書評・感想

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オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンは人のなまえで動物学者だ。鳥を愛し、リョコウバトを愛した。そしてオーデュボンは優午自身でもある。優午はカカシだ。喋り未来を知るカカシだ。
オーデュボンはリョコウバトのために祈り、優午は荻島のために祈る。
伊坂幸太郎のデビュー作だ。新潮ミステリークラブ賞受賞作。かなり面白い。
伊藤という男がコンビニ強盗なんかするから物語は始まってしまう。かつての同級生の城山という男がなんと警官になっていて、その男から逃げるようにしてパトカーから飛び出した伊藤は、ふと気づいた時、いつもとは違う部屋にいた。その部屋にやってきた男、日比野という男の説明によれば、ここは荻島という名前でみんなから忘れ去られた島で、轟というオヤジ以外に外界との接触はない孤島、なのだそうだ。伊藤をここまで連れて来たのはその轟だという。
まあよくわからないけど、とりあえずそこまでは信じてもいいだろう。問題は、伊藤にとってリアルな世界というのは次で崩壊する。
喋るカカシの存在だ。間違いなくそれはカカシで、喋るわけのないそれは間違いなく喋っている。しかも未来を知っている、のだそうだ。
まあ仕方ない。どんなにリアリティがなくたって受け入れるしかない。伊藤はそう諦めてその島の存在を優午ごと受け入れる。

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