空飛ぶタイヤ(上)の書評・感想

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空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

小さな運送屋である赤松運送の社長である赤松の元へ、一本の電話が掛かって来た。何でも、うちの社のトラックが事故を起こし、人が一人亡くなったのだという。
次第に状況が分かってくる。
どうやら、人を撥ねたというような話ではないようだ。トラックの車輪が突然外れ、その外れたタイヤが歩行中だった被害者にぶつかり亡くなったということであった。
赤松はそれから忙しさに追われた。
被害者の葬式へ出向いても門前払い。警察がやってきて家宅捜索をする。銀行が融資を渋り始める。取引先が事故のことを知り仕事を引き上げる。事故のことを知った同級生の息子がいじめられる。PTAの会長でもある赤松も非難を浴びる。
しかし赤松は信じていた。
赤松運送が使っていたトラックはすべてホープ自動車のものであったが、ホープ社の事故調査では問題はないし、原因は整備不良であると結論付けられていた。
しかし、赤松運送では自社で整備をしているのだが、一般に知られている基準よりも遥かに厳しい基準で整備を行っている。もちろんそれでも万全ということはないかもしれない。しかし赤松は、自分の会社の整備員を信じていた。
であれば残る原因は一つしかない。
ホープ自動車の構造的欠陥である。
赤松はホープ自動車と戦う決心をする。しかしまったくうまくいかない。ホープ自動車に調査結果を出すように言ってものらりくらり、ならば故障箇所の部品を返せと言っても返さない。
そのうち、週刊誌の記者もこの問題に気づき始めたようで、赤松はそれに期待もしている。
ホープ自動車と同じグループである銀行内部の動き、またはホープ自動車そのものの動きも追いながら、実際にあった事件を元に描いた作品です。

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