出星前夜の書評・感想

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出星前夜

物語は、一人の医者が請われてある村に往診に行く描写から始まります。その村では子供たちが次々に傷寒に冒されており、その猛威は益々広がるばかり。長崎から呼ばれてやってきた外崎恵舟は名医と誉れ高い男。村の庄屋の一人である甚右衛門が外崎を呼びにやり、無理を言って来てもらったのだった。
その村を含む南目という一帯は、藩から圧政を強いられ喘いでいた。限界の二倍を超える年貢を取り立てるその横暴さに、村は疲弊していた。今回の傷寒もその圧政が遠縁にある。しかし藩は人民に何もしようとしないばかりか、治療にやってきた外崎恵舟を追い返す始末。外崎は見知った有力者に圧政の話をするも、何か起こるまで身動きが取れない状態だ。
南目周辺は元々キリシタンが多かった。しかし江戸幕府になりキリシタンが禁止されて以降、表だってキリスト教を信仰するものはいなくなった。
しかし、ある一人の若者の行動が、やがてその地を大きく変える脈動へと変化していくことになる。
寿安と呼ばれていたその若者は、どうせこのままでは傷寒で死んでしまうならと、山に一人で籠って生活をすることにした。しかしそれに同調する者が多数いた。若者たちは山に立てこもり、やがて藩の人間相手に銃を持って戦うことになる。
その動きが発端となり、またジェロニモ四郎と呼ばれていた男が先頭に立って、やがて島原の乱と呼ばれることになる戦いが始まっていく…。

出星前夜

出星前夜

  • 飯嶋和一

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