世界最大の虫食い算の書評・感想

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世界最大の虫食い算 (文春新書)

本作は、まあなんともアホくさいというか、それでいてとんでもないというか、まあ無茶苦茶なことを成し遂げたある青年の話です。
まずざっと虫食い算の説明をしましょうか。虫食い算というのは、掛け算や割り算の筆算の数字が幾つか□のような空欄になっていて数が分からない、それを推理しながら埋めていくというパズルです。パズルの中でも歴史は古いようで、江戸時代には既に紹介されていたようです。
著者はそんな虫食い算にとり憑かれてしまった男なんだけど、とり憑かれ方がもうとんでもないわけです。著者がいかにして虫食い算にとり憑かれて行ったのかというのを語るのが本書です。
子どもの頃に虫食い算に出会った著者は、すぐさまのめり込み、次第に自分で虫食い算を作るようになります。
虫食い算の中に、数字のヒントが一つもない<完全虫食い算>と呼ばれるタイプのものがあり、著者はそれを作るようになります。
でとんでもないことを考えるわけです。来年は1984年だから、空欄が1984個ある虫食い算を作ろう!
当時高校生だった著者は、パソコンなど持っていない時、8桁までしかない電卓だけを武器に、すべて手計算のみの計算によって、この難行を成し遂げようとします。しかし、見通しを立てずに始めたものだから苦難ばかり、しかしその中で思いもよらない発見をしてしまうわけです(それがどんなものかは本書を読んでください)。その後も、膨大な、普通の人なら数時間で死にたくなるような手計算を何ヶ月もひたすら続けていった著者は、その後もどんどん新たな発見を重ねていき、ついに13桁÷12桁という割り算を、2万桁まで計算し、そのすべてが空欄という虫食い算を完成させるに至るわけです。
その後、パズル雑誌で有名なニコリに完成品を送り、その後そこに就職してしまったというわけなんですけど、まあなんともすごい話なわけです。

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