月光ゲーム―Yの悲劇’88の書評・感想

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月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

本作は、綾辻行人と並んで本格ミステリを成熟させた(だろう)有栖川有栖のデビュー作です。
舞台は矢吹山のキャンプ場。今は小康状態を保っているものの、10年前には小規模の噴火が起き、200年前には大噴火を経験したこともある火山である。
さてそこに大学生ばかりの四つのグループがほぼ同じ時にキャンプを張ることになった。
物語の語り部は、英都大学の推理小説研究会に所属する有栖川有栖。推理小説研究会のメンバーは4人で、江神さんという部長が本作の探偵役である。
他には、雄林大学の男女混成の7人グループと、同じく雄林大学の男ばかりの3人グループ、そして神南学院短期大学の女子ばかりの3人グループの17人の大所帯である。
彼等はすぐに意気投合し、料理の役割分担をしたりキャンプファイアーをやったりと楽しく時を過ごしていた。
しかし三日目の夜、彼等を悲劇が襲う。
なんと矢吹山が200年ぶりに大噴火を起こしたのだ。灰と瓦礫が散乱する中、どうにか一人の死亡者も出さずに噴火を乗り切った彼等は、しかし土砂崩れのためにそのキャンプ場に閉じ込められることになった。食料を切り詰め、救助が来るのをひたすら待つことにする。
しかし翌朝、さらなる悲劇が襲う。なんと、メンバーの一人がナイフで刺されて死んでいるのが見つかったのだ。明らかに殺人事件であり、間違いなくこの中に犯人がいるのだ。
死体の傍らには「Y」と思しき文字が。ダイイングメッセージである。推理小説研究会の面々はそれぞれに知恵を絞るが、しかしアリバイを持つ者は誰もおらず、動機も皆目わからず進展しない。
その後次の犠牲者が現れ…。

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