地下鉄に乗っての書評・感想

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地下鉄に乗って (講談社文庫)

小沼真次は同窓会の帰り、かつての恩師と出くわし、立ち話をする。事故のため電車のこない線を諦め、別の線へと乗り換えようと通路を歩いていると、不思議な出口へと辿り着いた。
外に出てみるとそこは、東京オリンピックを控えた昭和30年代の街だった。有体に言えば、タイムスリップである。突然現れた光景にいささか怯みながらも、真次はその街を歩くことにする。
奇しくも、兄昭一の命日だった。
兄は、地下鉄に飛び込んで自殺をした。ちょうどその日に戻ったらしい。兄を探して、自殺を思いとどまらせよう。そう思い真次は、見慣れない街中をあてどもなく彷徨う。
昭一を見つけ出し、現代へと戻ってきた真次は、しかし昭一が生きているという現実の中へは戻らない。未来は変わっていなかった。どうしてだろうか。
仕事先の社長と、デザイナーであり不倫相手であるみち子に、ことに顛末を話して聞かせる。二人は、真次の話を受け入れるが、しかし困惑気味である。
やがて真次とみち子は、なんの前触れもなく昭和の時代に戻るようになっていき、そして知らなかった父の姿を垣間見ていくことになる…。

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