未亡人の一年〈上〉の書評・感想

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未亡人の一年〈上〉 (新潮文庫)

本作は主に二つのパートに分かれます。1958年のパートと、1990年から1995年に掛けてのパートです。それぞれが上巻と下巻に当たります。
1958年のパートでは、コール家が主な舞台となります。コール家は現在、世界的に有名な絵本作家であり、女性関係にだらしないテッドと、その美しさが一目を惹かずにはいられないけど、ある出来事のためにずっと憔悴しきっているマリアンと、そして二人の四歳の娘であるルースという三人家族です。しかし、少し前まではさらに二人の兄弟がいました。
トマスとティモシーという二人の息子は、不幸な自動車事故のために命を落としてしまいました。そのため、マリアンは憔悴しているわけです。もちろん夫婦仲は冷め切っています。
さてそんなコール家に、エディという少年がアルバイトにやってきます。これは、テッドの作家の手伝い、という名目でテッドが雇ったアルバイトなわけですが、テッドの真意は別にありました。テッドは、エディとマリアンがそういう関係になってくれればいい、と思っていました。それにより、テッドはルースの親権を獲得しよう、と思っていたわけです(しかしマリアンは、ルースの親権など実にどうでもいいことでした)。
果たして、エディとマリアンはテッドの目論見通り、そういう関係になりました。エディはマリアンとの関係にどんどん溺れていき…。
下巻では、ルースとエディは作家になっていて、二人は再会を果たします。マリアンは、あの夏の日にいなくなって以来消息はわかりません。テッドは、新たな作品は書いていないけど、相変わらずの生活をしています。エディは、どこにいるかもわからないマリアンを未だに思い続けています。
ルースは、出版社の編集者とい恋人がいます。結婚も考えているのだけど、でもなかなか踏み切れません。その間、何人かの『悪い恋人』と関係を持ったりすることになります。
新作の取材のためにアムステルダムを訪れたルースは、飾り窓地区と呼ばれる娼婦街で一人の娼婦の女性と知り合いました。しかしその娼婦が事件に巻き込まれ…。

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