不況下における消費はどんな未来に繋がっているのか?

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スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―

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 2008年のリーマン・ショック以降、世界的な不況に陥った。特にアメリカはその中心地であり、国内の多くで被害を被った。しかし、一方でアメリカに住む人々の消費の仕方が変化している。かつては、クレジットカードをフル活用し上限まで買い物をしていた。新しいものが出れば、購入し、古いものは捨てるサイクルだった。それが、今では消費は本当に必要なものだけ購入し、壊れたら修理するというサイクルに変化している。これが、筆者の言う「スペンド・シフト」である。本書は、アメリカの各地で起こっているスペンドシフトを、各地の企業を例に解説している本。

序章「より多く」から「よりよく」へ@ミズーリ州カンザスシティ

消費者は経済力の低下にもかかわらず、市場では以前より寧ろ大きなパワーを発揮している。希少性を増す一方のお金を、より良い経験や社会、それどころかよりよい世界を買うために使っているのだ。

1.「どん底」というフロンティア@ミシガン州デトロイト

彼らは地元で稼いだお金を地元で使い、多くの人々にこの街を捨てさせた不安に立ち向かおうというのだ。これは戦術と言うより生き様であり、希望の表明である。長い時間を要するかもしれないが、市の中心部にとどまることを選択した人々は、いつの日かデトロイトの再生をその目で見るかもしれない。

2.「モノを集める」から「知識を蓄える」へ@テキサス州ダラス

図書館は、新たな技能を身につけたい、勉強を続けたい、職を探したい、といった人々の情報源、地域活動の拠点としての役割を果たしている。さまざまな支援サービスの無償提供に乗り出したため、図書館主催のイベント参加率は全米各地で記録的な高水準に達している。

3.支出を伴わないステータスシンボル@マサチューセッツ州ボストン

地域通貨は地元経済の活性化だけでなく、自分たちで活路を開けるという意識の醸成にも役立っている。実のところ、私たちはバークシェアを、政府や自治体に頼らずに経済活動をしていく手段とみなしているのです。

4.ソーシャルメディという「方法」@フロリダ州タンパ

規模がビジネス上の大きな優位性につながる時代は終わろうとしている。零細事業者は、顧客と納入業者の両方と共通の利害や深い絆をすみやかに築くことにより、商売を繁盛させている。

5.「町内会的」資本主義@ニューヨーク州ブルックリン

暗い話題はご法度という方針は、ターロウの人間的な発想に基づく目的意識と一致する。「一週間に一度、いや一ヶ月に一度でもいい。もし何処かで外食するなら、他の店ではなくうちに来て欲しい。」

6.失われた信頼を取り戻す@ネバダ州ラスベガス

「悔い改める潮時です。銀行や石油会社だけでなく、あらゆる業界の企業が。この新しい環境では、言行が一致しない企業はどれだけイメージを取り繕おうとしても意味がありません。」

7.ソーシャルメディアが「顔の見える企業」をつくる

「ひとつ確実に言えるのは、消費者が『企業は社会への還元や貢献をしているだろうか』と以前と比べものにならないほど注視していることです。企業が本気で変革を実現しようとしているのか、それともポーズだけなのか、消費者は以前よりはるかに鋭く見抜いていると思いますよ。」

8.生活を豊かにするイノベーション@カリフォルニア州サンフランシスコ

社会運動家や起業家は想像のつく限りあらゆる隙間を満たそうとするため、コミュニティの数や種類は凄まじく増えていくはずだ。野生動物の保護や昔の地下鉄車両の保存など、ありとあらゆる目的のために有益なコミュニティづくりを促すサービスも、登場してくるだろう。

終章.機器がビジネス、消費、生き方を変えた

行き過ぎの時代が幕を閉じようとする今、起業家精神を滾らせた何千もの小さな会社や自省を経た多くの大企業が、顧客や地域社会と手を携えて、社会的責任を果たしながらイノベーションを実現しようと務めている。

おわりに

各章のリードを載せたのだが、読み方としては各章のリードや地域を見て気に入ったのから読んでいけばいいと思う。データソースが詳しく載っているので、気になったら元を当たるのもいい。良書。

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―

  • ジョン・ガーズマ,マイケル・ダントニオ

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