日米通商条約をめぐるエトセトラ。風雲児たち 幕末編 14の内容まとめ

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風雲児たち 幕末編 14 (SPコミックス)

「これはチキンレースや。鷹司も九条も、ブレーキかけるのが早過ぎるわい せやからいつまでたっても幕府に勝たれんのじゃ わいは公家共に目隠ししてでも崖っぷちまでスピードを緩めへんど 今が勝負の分かれ目じゃ 転落ギリギリで必ず幕府に音ェあげさせたる」(岩倉具視)

「いうことも謂わず保身に走れば、近い将来どの面下げて彼らに会うことができようぞ」(川路聖謨)

「井伊直弼は信念を持って粛清を始めている。本人の胸中に入ってんのやましさもないのだ。それがどれほど恐ろしいことかお前にわかるか?」(島津斉彬)

日米通商条約をめぐるエトセトラ

◆開国-幕府慶福(保守)派 
(関白九条)
・井伊直弼、幕府高官、大奥
☆島田左近

◆開国-幕府慶喜(改革)派 <水戸斉昭がネック>
・鷹司・(関白九条)
・堀田正睦、島津斉彬、越前松平、宇和島伊達宗城
・川路聖謨
・梁川星巌、梅田雲浜

◆攘夷-幕府慶喜-尊王派 <非常にややこしい>
☆水戸斉昭

◆開国-尊王派   
???
 

◆攘夷-尊皇-倒幕派 
・公明天皇、岩倉具視
・水戸藩士・下級武士たち、浪人など(開国後の狂乱物価)
・当時の江戸の町民も多くはこの空気に(開国後のコレラや大災害の連続)

一橋家の愉快なお家事情

家斉の時代に、55人もの子を作って
水戸を除く御三家御三卿だけでなく、親藩、譜代などの家を軒並みのっとった一橋家だが、病により孫まで一気に死亡し、肝心の一橋家で一橋の血が断絶。
水戸から養子をゆずりうけたため、「一橋家以外は一橋家の血によって制圧され、しかし一橋家本家は水戸家の血が受け継ぐ」という本末転倒状態に。

しかしこの一橋慶喜が水戸斉昭の子でさえなければ、14代目の争いはなかった・・・というわけにはたぶんいかないが、井伊直弼がある意味最悪のタイミングで大老になり、その後の大獄をもたらさなかったカモしれないと思うと歴史は難しい。

イベント

・林大学頭が勅許を貰いに行くも朝廷は拒否

・堀田正睦が勅許を貰いに行く(幕府が朝廷に頭を下げる形に)

・貴族側は幕府を凹ませるチャンスとして強硬姿勢の構え
  「88公家のデモ行進」=岩倉具視らが先導?

・公家の強硬姿勢を受けて京都でも水戸・長州藩邸などの攘夷浪人が勢いづく。

・条約締結待ちの間にハリスが病気で倒れる(腸チフス?

・急いでいるところに、孝明天皇からの条約絶対不許可通告。

・堀田は条約不許可の代わりに家定の跡継ぎを慶喜とするべしという書を
 関白九条から受け、急ぎ跡継ぎを内定させる。

・ところが家定の母本寿院の移行を受けて、
 家定は「いきなり慶福派の井伊直弼を大老に」。

・ごたごたしている間に「アロー戦争が終了」し、イギリスやフランスの侵略を危惧したアメリカから通商調印の最終通告

・島津斉彬が井伊直弼に物申すため軍を率いて江戸へいくい計画

個人的な印象

朝廷の態度を始めとする混乱期の権力争いについて=「外敵が来れば一致団結する、はウソ。上層部ではなおさら混乱に乗じてチキンレースを行い、自分の権力を拡大しようとする」

上の人間は、組織の余力をめいいっぱい甘く見積もったうえに、めいいっぱい自分の権力拡大に活用しようとする。「物事が決まったときには必要なリソース、特に時間の利益や必要な人材は使い潰されており」事が始まったときには現場の人間はすでに負け戦にも等しい不利な状況での戦いを強いられる。意見が定まっているときには強いが、意見がバラけたときは、戦う前から負ける。

井伊直弼について。開国派ではあったがそのビジョンは観念的に過ぎ、内政と外政のバランスがとれていなかった。幕府主導ならともかく幕府の専制、さらに昔ながらの徳川の政治権力独占状態で開国などしても難しい。徳川独占の状態で問題を制御しようとしたから長崎出島が限界だったのだ。よって強引に開国を決定はしたものの、その後の現実に対応できていない。結果内政において反動政治へ。

西郷隆盛について。やっぱり人物の見定めが絶望的に下手くそ。井伊直弼についても軽く見ている。斉彬の意見(だと自分が思い込んでいるもの)と違う人間をボロカスに貶す傾向は最後まで治らないが、どのあたりが敬天愛人なのかと。あくまでこの時点、ではだけどね。

人物

長野主膳義言  :井伊直弼腹心
橋本左内・横井小楠・月照:開国-慶喜派。
伊東玄朴  :幕府にも種痘館を完成させる

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