現代消費のキーワードがわかる本「現代消費のニュートレンド―消費を活性化する18のキーワード」

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現代消費のニュートレンド―消費を活性化する18のキーワード

 この本は電通の「トレンドボックス」の内容をもとに、現代消費のキーワードを解説する本である。根拠となる調査データのグラフが豊富に掲載されており、マーケティングの本として重宝できる内容である。

目次より一部引用

・「遊ぶ大人」が消費をリードする
・「癒されたい」から「元気になりたい!」へ
・「わたしづくり」の文化消費
・新しい消費単位としての「平成拡大家族」
・「週末二人暮らし」カップルの「新・おうち消費」に大注目!!
・アクティブ大ママ進化論
・インビシブル30代の底力
・「ユビキタス」消費の可能性

内容

 高度成長期のように、豊かさに共通基準があり、「大衆」がそのベクトルへ動こうとしていた時代は終わった。特徴を共有する集団“分衆”といった考え方も、多様化によって分析対象として意義が薄まってきている。多様な物語性を抱えた個人が主役の時代になったといえる。データベースマーケティングやデータマイニングでは物語性を抽出できない。購買履歴やアンケートから属性やキーワードが幾つかわかったところで、個人の抱えた感動ドラマは見えてこない。最大公約数や平均による分析も物語性を殺してしまう一因になる。

 ではマーケティングはこれから何もできないのか?

 そんなことはない。よくいわれる「現代の消費者はきまぐれになった」は嘘である。個人は物語の中では比較的合理的に振る舞っている。多自由構造の中で物語を生きる個人の合理的選択をうまく捉えられるマーケティング分析手法が、これから求められているのではないだろうか。

 アイデアとしては、情報科学における制約条件によるストーリー生成の研究などは、マーケティングに応用がありえるかもしれないと感じる。
個人的なことを書くと、子供の誕生以来、休日の外出は家族単位が基本である。父母や妹家族と出かけることも多くなった。出かける先の選択には、小さな子供がいても安心して過ごせる場所であることが絶対条件になっている。具体的には、授乳室や広いトイレ、騒いでも大丈夫な環境、ベビーカーを通しやすい通路がある、などである。電通の本でいえば、「新おうち消費型」から、「平成版拡大家族型」になった。マーケティングに対する感性も当然、変わった。独身時代はあまり意識しなかったが、デパートや大型ショッピングモールはこれらの条件を完璧に満たしている。こういう場所は、物語の交差点ともいえることに気がついた。

 例えばアイスクリームひとつにも物語性がある。

・アイスクリームを孫に買ってあげたい祖父母

・アイスクリームは子供の年齢から与えるのはまだ早いと考える両親

・アイスクリームに関心のある子供自身

・とにかく売りたい店員

 構成員全員にアイスクリームに対する過去の想いもある。この葛藤、制約を解消して、皆が幸せになるような商品とサービスの組み合わせが求められている。物語は感動を生み、感動は人に話され、伝播する。深い感動は大抵、ヒトとモノではなく、ヒトとヒトとの物語の交差点上のインタラクションから生まれるものである。

物語の交差点はどこか? 

物語Aと物語Bが交差すると何か起きるか?

ハッピーエンドへ向かう起承転結の転は何か?

 ある程度はヒューリスティックなアプローチで解を導き出せそうな気もする。従来のマーケティング理論が扱う物語や体験は、静的で類型化され過ぎていたと思う。もっとライブでリアルな物語を見出す技術が必要だと考える。

感想

 電通だけあって造語のつくり方がうまいと感じました。例えば、「新・五感消費」ということで、主感・交感・時感・解感・究感と名づけています。内容も多岐に渡っていて勉強になる一冊でした。

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