政府やグローバル資本の暴走に警鐘「政府は必ず嘘をつく」

3743views折笠 隆折笠 隆

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政府は必ず嘘をつく  アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること  角川SSC新書

概要

3・11後の政府の言動は、貧困化が進む9・11後のアメリカに酷似すると指摘。政府やグローバル資本の暴走に警鐘を鳴らし、真実を見極めることの重要性を訴える。

著者はジャーナリストで、「ルポ・貧困大国アメリカ」などの著書で知られる。

「政府や権力は嘘をつくものです」

◆9・11のテロ後、救援隊や付近の住民に健康障害が多発。
 ・ビルの粉塵にアスベストなどが含まれていた。国は因果関係を認めず

◆国際機関が中立というのは幻想。政治的利害関係から逃れられない。
 ・IAEAは基本的に原発推進。WHOもその影響下にある

◆政府による情報統制を警戒せよ。利権維持が目的。
 ・9・11後、米では愛国者法が成立。政府がネット検閲や盗聴を強化
 ・日本では11年6月に“サイバー刑法”が成立

◆大災害の混乱に乗じ、政府は企業寄りの市場化政策を推進する。
 ・カトリーナ後のルイジアナでは、急進的市場化が進み崩壊
 ・東北の「復興特区」は外資を含む大資本にも開放。警戒が必要だ

◆TPPでは、正確な情報が(日米ともに)国民に伝わっていない。
 ・米政府は、自由貿易が国内雇用を増やすと喧伝
 ・日本のメディアは「農業VS製造業」に矮小化

米国民は権力の理不尽な振る舞いに麻痺し、格差社会の進行を止められなかった。
未来を他人任せにするな。私たち自身の行動が問われている。

「違和感」という直観を見逃すな

◆米の二大政党は機能していない。
 ・規制緩和で両者の利権が均質化し、もはやどちらでも同じ
 ・一見政権選択に見えるが、大事な選択肢はすでに排除されている

◆「民主化革命」を疑え。米は市民運動を利用して他国の政権を転覆させる。
 ・つぶしたい国の市民団体に反政府活動を促し、政権を挑発
 ・弾圧されている様子を報じれば、国際世論も味方に
 ・革命は、関心が薄れた頃を見よ。体制転覆後に利益を得たのは誰か? それが本質

◆NATOがカダフィの弾圧から国民を救った、という図式は西側メディアによる操作。
 ・本来、リビアは高い生活水準を誇る国。国民の大きな不満はなかったはず
 ・米は、カダフィの新通貨計画を警戒していた。これが引き金か?
 ・技術の進歩で、映像や画像の捏造が容易に

◆米は点数至上主義教育により、従順な国民を育成する。
 ・「落ちこぼれゼロ法」で生徒を切り捨て、教師を厳罰化
 

◆米のSOPA(オンライン海賊行為禁止法)は、国境を越え支配が及ぶ。日本も警戒を

ITとグローバル化により、コーポラティズム(政府と企業の癒着)の権力は強大に。
暴走を阻止するには、情報リテラシーを高め、政府の監視を怠らないこと。

真実の情報にたどりつく方法

◆市場化政策の国民洗脳にはパターンがある。
 1…敵を作る/テロリスト、公務員など
 2…スローガン/「テロとの戦い」「改革を止めるな」など

◆IMFは善良な国際機関だと誤解されている。
 ・議決権は出資額に比例。米が有利で、途上国は不利
 ・ジャマイカはIMFの管理下で関税などを撤廃され経済が崩壊。貧困国に

◆「TPPは米の陰謀」は、正確な表現ではない。
 ・TPPで儲かるのは米のグローバル資本。大多数の米国民には還元されない
 ・グローバル資本に対抗するには、国境を越えた大衆の連帯が必要

◆拝金主義からの脱却のヒントは、アルゼンチンの成功にある。
 ・財政破綻後、公共投資を増やして立て直し、11年までに90%成長を実現
 ・アメリカ型グローバリズムを拒否。持続可能な成長を追求した
 ・IMFの介入を退けたのも大きい。ブラジルら南米諸国も続いた

◆グローバル化は、一握りの人だけに繁栄をもたらした。
 ・ソ連崩壊で、資本主義が暴走。コスト削減の圧力で労働者は疲弊
 ・米では、貧しい自治体に民間が介入。公務員も失業

アメリカ型独裁資本主義の中で、私たちは人間性を剥奪されてしまった。
各自が行動に責任を持ち、人間らしく生きられる社会を作りだそう。

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