働くことがイヤな人へ!なぜ仕事をしなければならないのか?

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働くことがイヤな人のための本(日経ビジネス人文庫)

働きたくない人たちを仮想し、彼らの訴えに中島義道が応えるという会話形式で仕事について語る本。実際は著者の自問自答である。

「この本読んで仕事やりたくなるということはまずありえない」。そのかわり、この本を読むと、自分を多少は客観視できる。相対化して考えられるようになる。「自己啓発の前提や社会の建前のウソを暴き、ぶっ壊すこと」に特化した本なので、いつまでも自己啓発の世界から抜けだせなかったり、社会の建前に苦しめられている人は、これ読むとすっきりするかも。「すっきりしたら、そこから先は自分で考えましょう」そんな感じの本。

とりあえず第一章だけ紹介。
全部で七章あるけれど、すべてこの第一章を詳しく説明しているだけです。さらに詳しく読みたい人は本書を読んでみてください。

「なぜ仕事をしなければならないのか?」という話をする際にもとめられる態度

いかに真摯なつぶやきでも、自分の中に閉じこもってしまうと、それはぐるぐる同じところを回るだけで、一向に進捗しない。病的な自己確信、病的な他人嫌悪、病的な世間恐怖…という具合に進んでゆき、もともと清潔で美しくさえあった悩みは、いつしかどす黒く見にくい炎に変身していき、自分をも他人をも焦がしてゆく。
だから、そうした事態にならないためにも、自らの言葉を批判可能な場に晒すこと、つまりそれを他者とのコミュニケーションを通じて鍛えてゆくことがぜひとも必要。

「要は、勇気がないんでしょ?」と言われる生き方で満足か?

傲慢至極にも、社会を拒否し続けながら、その社会において承認され尊敬される道を選ぶんだ。社会を拒否する態度そのものによって、社会から尊敬を勝ち得ようとするんだよ。

もう少し時代が下ると、超エリートの傲慢な苦悩という臭気はなくなる、そして社会的無用者であることの自虐的な快感が前面に出てくる。

毎日自己嫌悪に苛まれながらも、自殺しないで生きている。すっかり考えつくしたことをまた考える。思考はぐるぐる回転して何を考えているのかわからなくなる。どうにかしなければならないという叫び声と、どうにもならないという叫び声とか交差する。

考えても考えても、もう何もでてこないよ?大地震が起こったり、大暴動が勃発したら、きみはベッドから抜け出せるかもしれないがね。世の中が大混乱したり、社会が壊滅すると、ああ、やっと生きて行ける。そういう直観だ。

もう十分傷ついているからこそ、それ以上傷つくのが怖いのだ。

そうして一生引きこもって生きていたいのかい?

よりよく生きることを求めるなら、それについて考え続けろ

「あなた方のつぶやきは多様なように見えて、その内実は恐ろしく似ている。自分がたまたま生まれてきて、そしてまもなく死んでしまう意味を知りたいのだ」。

この問いに抽象的な答えを羅列しても、何の実りある展望も開けてこない。あくまでも具体的な状況をよく見据えて出発しなければならない。

あなた方の悩みはとても健全なのだから、それを大切にしなければならない。あなた方は悩み続けなければならず、そこからごまかしのない固有の手応えを掴まねばならない。
問いを体の中に持っていることはかけがえのない宝だと確信して、やはりその宝が真価を発揮するように生きることを考えるべきなのだ。

「私が言いたいのはもっと身も蓋もない真実である。すなわち、人生とは理不尽の一言に尽きること。思い通りにならないのが当たり前であること。いかに粉骨砕身の努力をしても報われないことがあること。社会に出て仕事をするとは、この全てを受け入れるということ。その中でもがくということ。その中でため息を付くということなのだ。だから尊い」あなたが敗退する可能性は高い。しかしそれでもからだごと動いてゆくことを通してしか、あなたがよく生きることはできない。

多くの人はつい、成功した人はみんな大変な努力を重ねたのだといってしまうが、それは違う。これは、ありとあらゆる世の中の理不尽を消してしまいたいという願望から出た怠惰な言葉なのだ。納得できないことを無理にでも納得して楽になろうとする。なぜか?そうしなければ、その理不尽さに耐えられないからである。

もっと自然に考えればいいのだ。学校が楽しくてたまらない少年少女もいるだろう。「それはそれでいいのである」
彼が間違ってるわけでもなく、自覚が足りないわけでもなく、欺瞞的であるわけでもない。彼らの中にも誠実でこころ優しい人もいるし、不登校児の中にも、不誠実で冷酷で傲慢な者もいる。
同じように、ひきこもりのものがみんなどうしようもない落伍者であるわけではない。といって、彼らがみんな純粋で正しい訳でもない。私が特に提言したいことは、怠惰な紋切り型の定式的な思考を警戒せよということだ。「納得したいという情熱に引きずられるなということだ。ものごとはひたすら細部を見なければならない」

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