田中角栄の昭和の書評・概要

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田中角栄の昭和 (朝日新書)

1、概説、書評

日本の首相はこのところ毎年のように替わり、確たる政策もなく、人気もない。かつて日本において絶大な人気を誇る首相が昭和に時代にいたことを懐かしく思う方も多いだろう。

田中角栄というと「ロッキード事件」のイメージが強いという人も非常に多いかと思うが、本書では田中の生い立ちについて、とりわけ戦時中、軍務に従事しているときの田中角栄についての話を詳細に調べ、言及している点で、他の田中角栄についての書籍よりも興味深く、またかなり深く掘り下げた取材活動に基づくものであると感じる。

著者の私見では田中は最も日本の物理的幸福を追求した人物として評しているが、これも著者の膨大な取材活動の中で昭和史を分析した結果として、没後20年の田中を歴史の中に位置づけるだけの重要な意見であると思う。

大正7年生まれが戦争による死亡率が一番高いといわれているが、その裏で仮病によって戦線を離脱することができたのではないかということが一説に言われており、そのせいか、田中自身によっても戦時下の話はほとんど語られる事はなかっただけに、非常に貴重な資料であると思う。

また、田中の商才や人心掌握力についても、戦前、戦時下の経験から培われたものであり、詳細に語られるところである。

2、構成

・青年期までの生い立ち

新潟の農村に生まれた田中の父母のことや、青年期の上京など

・商売での成功、戦争体験

理研などのコンツェルンの経営者に食い込み、大口の仕事を受注していたが、自身も戦争に招集される。その後、結核と診断され内地へ送還される。

・戦後の政治活動

時代の転換を察知していち早く旧体制に見切りをつけ、自ら蓄えた私財を武器に政治家としての活動を始めていく。独特の演説など。

・首相期~ロッキード事件

このあたりは他にも多くの書籍で描かれているものであるので割愛

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