情熱的学問入門!哲学的な何か、あと数学とかの書評まとめ

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哲学的な何か、あと数学とか

 悪魔のような数式に魅せられ人生を賭けた学徒たち!
 フェルマーの最終定理をめぐる
 ココロを揺さぶる物語――

 数学なんてつまらないと思っているアナタに贈る情熱的学問入門!

まえがき

 数学は意味不明?単なる記号のパズル?人間味がない?
 そんなことはありません!
 この本では、フェルマーの最終定理を証明する過程をドラマティックに描きます。この本を読めば、きっとアナタの数学へのイメージが変わるハズです。

悪魔的超難問――フェルマーの最終定理

 アマチュアだが、どんな数学者をも子供扱いできるほどの天才的な数学の才能をもつフェルマー。彼の死後、肝心の証明方法を残していない48コの定理は、たくさんの数学者たちを悩ませた。
 中でも「フェルマーの最終定理」は、フェルマーの死後350年以上にわたり、「悪魔」として多くの数学者の人生を狂わせていくことになる……

ラメ・コーシーのバトル、そして……

 フェルマーの最終定理が公表されてから150年ほどの間に、オイラーが取っ掛かりを見つけ、ソフィーが突破口を開いた。誰もがもうひとふんばりで証明できるハズだと考え、数学界が「証明した人には金メダルと懸賞金をプレゼント!」と発表したことで、とある二人の数学者のプライドに火がついた。

 歴史的数学者のラメとコーシー、いったいどちらが先に証明を完成させるのか――

 しかし、そこに一石を投じたのは、数学者ですらないクンマーだった。彼は二人の証明の根本的な間違いに気づいたのだ!さらにどうすればそれを修正できるかを分析した上で、それでも埋めようのない穴があることを突き止める。

 「悪魔」が、まるで数学者をあざ笑うかのようにひらりを身をかわし、「証明は絶望的」という現実をつきつけた瞬間だった。

悪魔的絶望、不完全性定理

 「いや、クンマーは間違っている!」

 ある時、ヴォルフスケールはこの事実に気づく。フェルマーの最終定理が、実は解けるかもと気づいた彼は、この定理に(今の価値で)10億円以上もの懸賞金をかけた。

 これにより悪魔は息を吹き返し、欲にかられた人々を地獄に引きずりこむ。しかし悪魔は不満だった。人々の目には「もしかしたら解けるかも」という希望が宿っていたからだ。そこで悪魔は、数学者たちに「不完全性定理」を知らしめた。

 この世には、絶対に解けず、解けるかどうか確かめることさえ不可能な問題が存在する。
 それが不完全性定理である。

 ひょっとしたら、フェルマーの定理も、絶対に解けない問題なんじゃないか……?

 数学者が味わった、久々の絶望。不安、嗚咽、とまらない吐き気。そんな哀れな人々の魂を食らいながら、書籍や言葉として世界中に増殖しながら、悪魔は生き続ける。

 あの日もまた、新たな標的に出会った悪魔。しかし悪魔は、なにやら言い知れぬ不安を感じた。純情無垢なその子供に、悪魔は尋ねる。

「ああ、坊や、名前を教えてくれないか?」
「アンドリュー……。アンドリュー・ワイルズ」

ワイルズの登場、悪夢の終焉

 時は流れて近代。
 数学は、各分野が、孤立的に発展する傾向にあった。
 しかし、もし「谷山=志村予想」が証明できれば、これらに吊り橋をかけて統一できる!そこで数学者は谷山=志村予想の証明に取り掛かるが、どうやら谷山=志村予想を証明すると、フェルマーの最終定理も自動的に証明できるらしい。
 つまり、谷山=志村予想の証明は、フェルマーの最終定理と同じように絶望的なのだ。この事実の前に、再び絶望のどん底に突き落とされる数学者たちだったが、ワイルズだけは違った。

 ワイルズは7年もの歳月を費やし、200ページ以上にもわたる論文としてまとめ、ついにフェルマーの最終定理の証明に成功した!

 ……はずだった。

 しかし、世界中に自分の証明を公表したあとで、彼は自分の証明に致命的欠陥があることに気づく。それから1年間、どんなに頑張っても修正できない穴。
 このままでは世間の罵詈雑言を浴び、最悪の結末を迎えるだろう。そんな苦悩の中、ワイルズは気づいた。

 「岩澤理論」が使える……そんな馬鹿な。これは私の研究の原点じゃないか!あまりにできすぎている……

 しばらくして、ワイルズは、晴れ晴れとした誇らしげな笑顔で屋根裏部屋から下りる。8年もの間、ずっと自分を支えてくれた妻に、彼はこう言った。

 「やっとできたよ」

エピローグ

 こうして、悪魔の息の根は完全に止められ、数学者たちの長き戦いの物語が幕を閉じたのである。
 確かに、フェルマーの最終定理が解けたからといって、直接なにかの役に立つわけではないだろう。しかし、事の本質はそこにはない。本当に大事なのは、「そんな問題に短い人生を賭けることができる」という事実にある。

 挑戦した人、人生を奪われた人、すべての知的探求者に僕たちは敬意を払うべきだ。
 学問とは、不可能とさえ思える絶望的な問題に立ち向かおうという、人間の情熱の上に成り立っているのだから……

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