コトラーが提案するデジタル時代のマーケティングのあり方「新・マーケティング原論HBSシリーズ」

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コトラー 新・マーケティング原論   HBSシリーズ (Harvard business school press)

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21世紀…マーケティングはどうあるべきか

はじめに

 インターネット、テクノロジー、グローバリゼーションが結びついてニューエコノミーが誕生した。
 従来のオールドエコノミーは、「製造業をマネジメント」してきたといえる。これは規格の標準化、繰り返し作業、規模の経済、効率化、命令型の経営などを重視する。
 一方、ニューエコノミーは、「情報産業をマネジメント」するといえる。文書、データ、音声は場所を問わず瞬時に送信できるようになった。
 その結果、企業と顧客が綿密にコミュニケーションを取ることができるようになった。こうして多くの企業が、コストを抑えつつ市場により広く浸透しようとデジタル化を進めている。

企業に求められるもの

 現代はニューエコノミーとオールドエコノミーが併存している時代である。企業は従来まで有効だった能力を維持しつつ新しい発想や能力を吸収しなければならない。そして次の3つを目指す必要がある。

①顧客ニーズを最も利便性の高い方法で満たすことである。顧客が最小の時間とエネルギーで、製品やサービスを探し、注文し、受け取れるようにする。

②発想の重点を「製品ポートフォリオ」から「顧客ポートフォリオ」へ移す。

③マーケティング戦略を企業戦略の中で築き、マーケティング部門が他部門への影響を強めるようにする。

 従来の「製品を作って売る」という発想は通用しなくなってきている。自動車メーカーは、未だに、まず工場など生産能力を築くことから始める。100万台生産できる工場を作れば100万台製造しようとする。
 これからは顧客を基点に事業を設計しなければならない。顧客に関する知識を収集し、十分な能力を身につけ、カスタマイズされた製品、サービス、プログラム、メッセージを提供しなければならない。それはこれまでとは全く反対のプロセスをとる。すなわち次の通りである。

顧客→流通チャネル→製品・サービス→資産投入

顧客の願望を叶える

 これからは「顧客のニーズを感じ取り、それに応える」という発想でマーケティグを推進すべきである。発想の基点はあくまでも顧客の要望である。
今は顧客が企業に「必要な製品を説明するので作ってほしい」と要求する時代である。企業はより大きな顧客の満足を引き出すために、サプライヤー、流通企業、社員、地域コミュニティとの協力関係を求める必要がある。そのためには、電子ネットワークを介して相互に作用しあい、ダイナミックで包括的なマーケティングを展開する必要がある。マーケティングの使命は、それに沿った製品、サービス、顧客経験を生み出すことである。激しい変化と競争の中で、顧客に向けて価値を探求、創造、提供するには顧客・事業パートナー・社員・地域コミュニティなどの、「関係資本への投資」が必要である。
 これは、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)をさらに推し進めた、ホール・リレーション・マネジメントというべきものである。
企業と顧客との関係だけでなく、全当事者との関係をマネジメントすることで顧客シェアと顧客ロイヤルティを高め、顧客生涯価値を最大限に引き出すのである。こうした全体的なマーケティングが、これからの企業には必要といえる。

感想

 本書は、マーケティングの第一人者と呼ばれるコトラーが「デジタル時代のマーケティング」のあり方を提言したものです。顧客の欲求を満たすために、顧客との関係を管理するだけでよかった時代は終わり、今後はあらゆる当事者との関係をマネジメントすることが重要となっているようです。

コトラー 新・マーケティング原論   HBSシリーズ (Harvard business school press)

コトラー 新・マーケティング原論 HBSシリーズ (Harvard business school press)

  • フィリップ・コトラー,ディパック・C・ジェイン,スヴィート・マイアシンシー

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