かなりの良書!弱い日本の強い円のポイントまとめ

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弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)

はじめに

著者は日本銀行、JPモルガンなどの勤務経験あり、為替のスペシャリスト。
よくある経済評論家や私立大学経済学者のトンデモ本とは一線を画した、
最先端の実務を知るプロフェッショナルです。

ポイント

・国力や経済力や人口の推移は為替レートと関係ない

・日本の財政赤字拡大は円安には繋がらない
∵財政赤字懸念で長期金利が上昇→国内機関投資家が対外債券投資を手仕舞い、国内へ資金を回帰する
→いったん円高圧力がかかる

※さらに長期金利が上昇→海外投資家が国債購入(さらに円高)
→それでもさらに長期金利が上昇、財政赤字が深刻化
→外国人投資家が逃げ出す→円安

・長期間でみると購買力平価が成り立っている
日本の物価上昇率がこれまで同様、他国の物価上昇率を下回り続けるなら円高方向、逆に日本の物価上昇率がこれまでと異なり、他国の物価上昇率を上回るようになるなら円安方向。

・中期的な為替相場の変動要因として重要なのは、①貿易に関連した資金の流れ、②証券投資に関連した資金の流れ、③直接投資に関連した資金の流れ

・円にとって必要なのは、売られる理由(円安)
 円は通常、世界や日本の景気が好調な時に売られる傾向
 ∵リスクテイク嗜好を強めた日本の投資家や企業が対外投資を活発化させるため
 →こうした対外投資貿が貿易黒字に絡む円買い(貿易収支が黒字であれば自然に円買い要因)を上回ったときに円安となる。
 

・米にとって必要なのは、買われる理由(ドル高)
 米国は世界最大の貿易赤字国。世界中の輸出業者が米国への輸出で得たドルを毎日たんたんと売っている。
 ドルが買われる理由
 ①世界の投資家が「為替リスクを取って」米国に投資をする場合(but短期金利が低ければ為替リスクは取られない)
 ②海外に投資を行っていた米国の投資家が、国内に資金を回避させるためにドルを買い戻して、それが貿易赤字に絡むドル売りを上回る場合

・市場の動きはすべてがファンダメンタルズに沿った動き
ファンダメンタルズはマクロ変数の動きと同義ではない

・チャート分析もファンダメンタルズ分析
トレーダーや短期の投機筋はチャートに基づいた取引を行う→短期の投機筋主導のトレ    ンドならば、チャート分析上の重要ポイントで動きは止まるはず
∵投機筋が利益の確定のためポジションを決済するため
→チャート分析上の重要なサポートラインを超える場合は、中長期的なマクロ経済要因と考えられ、こうした動きはしばらく続くと考えられる

・日本の祝日には、円高に動きやすい
国内投資家が、わざわざ祝日に円売りドル買いはしない

・ドルに関する予想にとっては、GDP成長率よりも金融政策見通しが重要
短期金利があがらなければドル買いにはならない

・為替相場にとっては2年物金利差がより重要
短期金利が低いままの状況で米国の長期金利が上昇しても、ドルの上昇には繋がらない

・米国長期金利が下落すると円高になる

・量的緩和策で通貨安にはならない
「ゼロ金利下での」量的緩和策は為替相場には影響しない

感想

かなりの良書です。
この本が1000円しないのだから。
わたし(まとめ投稿者)なら、3000円のハードカバーだとしても買いです。

正直、ここまで手の内を明かしてくれる著者は誠実な人だと思います。
多くの人に正しい知識を伝えたいという純粋な気持ちを感じました。

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