水戸学と尊王攘夷と廃仏毀釈。風雲児たち 幕末編1の内容まとめ

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風雲児たち 幕末編1 (SPコミックス)

科学を知らぬものにエレキをどうやってわからせればいいのだ?(中浜万次郎)

この間まで何のために生まれてきたのか それさえもわからずただ朽ち果てる身であった私が いつかはこの国の全責任を背負って立つかもしれぬとは 「生きる理由ができた なんという喜びだ」(井伊直弼)

井伊家に見る江戸城内の政治感覚 幕府=国家観

「国家の政策を他藩に一切口出しさせないことが安泰の秘訣」ととらえる。
徹底的な秘密政治で強い将軍家を守りぬくことを存在意義(赤誠)とする。
「人として誠実であるがゆえに、時代の変革期に最も頑迷に抵抗する存在となる」

水戸学と尊王攘夷と廃仏毀釈

御三家御三卿のうち、唯一水戸徳川家だけが一橋家の血筋を阻んだ大名。
しかもこの水戸家は勤皇思想の総本山(弘学館)

徳川斉昭は徹底した西洋嫌いであり、攘夷を目指して
独自に富国強兵策を推し進め、幕閣とことごとく対立していく
間宮林蔵の進言により蝦夷開拓に目を向ける(後の蝦夷共和国独立構想に)

水戸学の皇室は尊いという「素朴な概念」が皇室は絶対に尊い」という「政治的理論武装」をはじめたことにより、仏教の存在を目の上のたんこぶとみなすようになる。水戸領内では仏教や寺院を徹底的に弾圧し、僧は追放・還俗、寺は神社へと立替、仏像は銃や大砲の材料へ。家臣からも将軍に訴えが起こり、藤田東湖は謹慎、斉昭の隠居の処分がくだされた。

「徳川政府に希望を託せなくなった武士や庶民が、それに変わる何かを模索し始めた時、唯一将軍家に逆らえそうな力を持っているのが尊皇攘夷の総本山水戸藩しかなかったというのがこの国の悲劇であったかもしれない」(それだけ、徳川幕府は、他大名の力を削ぐことにかけては優れていたということである。全然よくないけどね)

日本は明治維新後も水戸学という思想的爆弾を処理しきれず、その影響は濃厚にのこり、第二次大戦にも影響した。それは現在でもいろんな形で残っているといえる

幕末期の商人のいらだちと人材発掘事業

当時の日本を三百藩の小さな国家の集合体と見れば、大商人たちは三百の国と相手に貿易をしている国際人であった。小さな一国一城の大名より遙かに日本という国全体を把握していたしさらに学問についても、東方の豪商が最上徳内から積極的に学問を吸収するなどで優れているケースもあった。現実に大名たちより金を持っているから大名も頭が上がらなかった。

これに対し大名は時に権力をカサにきて豪商を取り潰したり全財産を没収したりする。高田屋嘉兵衛の親会社であった北風家も取り潰され、高田屋も、嘉兵衛の没後、密貿易という無実の罪により松前藩の手で取り潰される。さらに日本海海運王である銭屋五兵衛(開国論者)父子も、加賀藩の謀略?により大弾圧を受けて滅ぼされている。

幕末の大商人は政治リスク以外にも様々な「制御できないリスク」を抱えていた。海難保険がない状態で、非力な船で海運業を営んでいることに加え、米や海産物の相場が狂えば倒産するし、いくら財産を貯めこんでも火災保険などないから蔵が焼ければおしまいである。この当時の商人は完全にギャンブルだったのである。

幕府があるかぎり、船は一本マスト以外許可してもらえなず、海難事故も耐えない。現状維持が精一杯で、海運業の将来に希望が持てない。西洋船が現れてからは航路の安全性がさらに脅かされている。幕府は航路の安全を確保してくれなければ、西洋とつきあって海外貿易の道を開いてくれるでもない。何の展望もない

「幕府は明日を見ずその場を取り繕って生きているだけだ 幕府を相手にしている限り我らの未来もない」心ある豪商はすでに幕藩体制を見限っており、次の時代を担う人材を見つめ、あるいは支援していこうという思いを抱いていた

人物

シーボルト   :日本渡航のため各国を飛び回る
シーボルト・イネ:石井宗謙に弟子入りしオランダ流産科に学ぶ。宗謙の子を妊娠
(江戸期には、結婚と子宝は家の繁栄につながるとして歓迎しながら、出産は女だけの業として忌まわしいこととされていたため、最も清潔でなければならない出産が、極めて非衛生な環境で行われていた。そのため子供はもちろん母親の死亡率も非常に高かった) 

中は万次郎 :琉球に到着→投獄
吉田松陰  :佐久間象山に弟子入り

ヨゼフ・ヘンレイ・レフィスゾーン :オランダ商館長。最後の江戸参府
(この時のオランダ商館長の将軍謁見儀式の際の服装はとっくに本国では誰も着ていない)

精忠組   :西郷・大久保を中心として結束した薩摩下士の集まり
渋田利右衛門:勝海舟を支援。勝はその支援で三兵戦術などを学ぶ。
勝小吉   :夢酔独言
井伊直弼  :十五年部屋住の後、いきなり大老職跡継ぎに

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