読みやすい哲学ファンタジー物語「ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙」のあらすじまとめ

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ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙

哲学者からの不思議な手紙

あなたはだれ?世界はどこから来た?

あらすじ

 ある日、女子高生であるソフィーのもとに、差出人名のない手紙が届いた。開けてみると中の便箋には、たった一行、

「あなたはだれ?」

と書かれていた。翌日、また同じような手紙が届く。中には

「世界はどこから来た?」

とだけあった。その翌日、「ソフィー気付、ヒルデ様」という手紙が来た。消印はノルウェー国内で、いま海外にいる父親からとは思えない。それにヒルデなんて少女はここにいない。開けてみるとバースデー・カードで、

「愛するヒルデヘ 15歳の誕生日おめでとう。パパはヒルデに、なにか大人になるのに役立つようなプレゼントをしたいと思っている。このはがきはソフィーに送る。そうするのがいちばん手っとり早かったのだ」

と書かれていた。

 自分より一日早く誕生日を迎えたヒルデとは何者?

「パパ」って誰?

それに手紙が問いかける、私は誰?

世界はどうして始まったの?

という謎…

 これら3つの謎は互いに絡んでいるとソフィーは直感する。こうして自己とは何か、世界はなぜ生まれたのかという哲学の根本問題を、彼女は「パパ」から送られてくる手紙を読むことで考えはじめる。

 手紙はソフィーの身の回りで起きるいろいろな出来事に合わせるかのように、次々と送られてくる。そして哲学の2つの謎については、35通の手紙によって、古代ギリシアからアウグスティヌス、ベーコン、デカルト、カント、ヘーゲル、マルクス、ダーウィン、フロイトまで実に要領よく説明される。

 ことに、プラトンに始まるイデア(理念、概念、理想)論が、観念論として発展していき、ドイツ哲学に受け継がれた流れや、アリストテレスから始まり英国で発展した経験論の流れがうまく説明されている。ヒューム、バークリ、ビヤルクリ、キルケゴールなど、不勉強な哲学科の学生なら知らないような哲学者の考えについても説明されていて、謎解きをしながら、自然に西洋哲学史が理解できるように書かれている。

著者とその時代背景

 著者のヨースタイン・ゴルデル(1952-)はノルウェーのオスロに生まれた。ノルウェーは人口430万人という小さな国である。小さな港町の高校の哲学教師である作者は、この作品で、1920年にノーベル文学賞を受けたクヌート・ハムスンと肩を並べた。

感想

 1995年に日本でベストセラーになった本です。発売から5か月で40刷りを記録したそうです。それが世界的に受けた理由は、「バートランド・ラッセルの『西洋哲学史』と『不思議の国のアリス』を上手く組み合わせた哲学ファンタジー小説だったからと言われています。
 本書は一種のファンタジー・ミステリーでもあるので、ヒルデとは誰か、手紙を送ってきたのは誰なのか、それらはここでは説明しません。古本を探せば、美本が定価の半値以下で入手できます。哲学をファンタジー物語として、読みやすくそして楽しく仕上げています。

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