映画から学ぶ哲学と倫理学

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映画(シネマ)じかけの倫理学(エチカ)

映画を交えて倫理学を教えてくれる本書。
読んだ中で特に気になった章をまとめました。
哲学や倫理学を学んだことがない人や読みやすいように、
まとめの際には章の順番はあえて変更しました。

はじめに

哲学=世界とはなにか
倫理学=人間はいかに生きるべきか

大人になるということ

映画『ハリー・ポッターと死の秘宝part2』では、
ハリーが大人として急成長する。
それは自分の中にヴォルデモートという対するものを抱えていたから。

<偉人のひと言>
すべてのものは自分の中に自分を否定するものを抱えていて、
それゆえに自分と対立したものを生み出し、それゆえに成長する。
(ドイツの哲学者ヘーゲルの「弁証法」)

この仕事でいいのか?

映画『ゴーストワールド』のイニードは飲食コーナーのバイトを1日でクビになる。
その後も普通に就職することに対する抵抗感が捨てきれずに葛藤する。

<偉人のひと言>
最初の仕事とは「くじ引き」である。
(オーストリアの経営学者ドラッカー)

イニードの悩みは日本の多くの若者が抱える悩みと同じともいえる。
向いた仕事に就くまでには「歳月がかかる」ため、
最初の仕事が向いていなくても是非とも真摯に向き合うべきである。

負け組みに希望はないか?

映画『スコット・ピルグリムVS邪悪なモト彼集団』で主人公は最強の敵に破れ、
猛烈に生き方を自己反省する。教養をつんだことで自己が深まり、
自己が深まると行動や発言が変化し、それに伴って人間関係が変容し仲間ができる。

<偉人のひと言>
負けた方は勝った人間に従い奴隷になる。奴隷は主人に従い教養(知能や能力)を身につける。そしていつかは精神的に独立し、主人をも超える存在になる。
(ヘーゲルの「弁証法」による自己意識の発展)

社会にでた直後は連戦連敗が続き毎日にウンザリするかもしれない。
そんなときにはヘーゲルの『承認をめぐる戦い』を思い出し、
自己の価値確証を目指す。国家は作れなくとも、起業くらいはできるかもしれない。

本当に強い人間

映画『青い春』に登場するオバケは、
自分の死期が近いにも関わらず普段と同じ日常を送る。
このような卓越した人間存在を「ホモパチエンス」という。

<偉人のひと言>
人間はあらゆることにかかわらず、貧困と死にもかかわらず、強制収容所の運命下にあったとしても、人生にイエスということができるのです。
(オーストリアの心理学者フランクルの言葉)

正義とは?

映画『キックアス』の主人公はヒーローごっこをしていたら、
マフィアとマフィアへの復讐を誓う親子の抗争に巻き込まれてしまう。
そのうちに、自分の中での『正義』の定義が崩れてしまう。

<偉人たちの考え方>
○J・ベンサム「功利主義」
 たくさんの人が幸せならOK♪♪その幸福を足し算して大きくなったほうが正解!!
○カントの「定言的な道徳倫理」
 たくさんの人が幸せになっても、やっちゃいけないことは絶対にやっちゃいけない!!

現代を生き抜くには?

ハリーポッターで子供が大人になることを考える時にドゥールズ的に考えると、
「子供が大人になる云々のまえに、そもそも子供ってなに?子供だって色々あるじゃん」
となる。「最近の若者は・・・」という言葉は多様性の現代では通用しない。

そんな中、なぜ勉強しなきゃいけないかという問いに答えた映画は『男はつらいよ』。
「人生長く生きていれば色んなことにぶつかる。
 勉強してない人はサイコロの目で決めたり、その日の気分で決めるしかない。
 勉強した人は頭できちんと道筋を立てて、このときはどうすべきかを決められる。」

ドゥールズ的な「あっちもいいけど、こっちもいいよね」という黒白つけない考えは、
正解の無い現代を生きる上でけっこういろいろ使えそう。

おわりに~自由とは何か×大学生の期末テスト~

若者は自由を求めるけど、
テストの時に自由解答を求められると無難な答えしか書けなくなる。

尾崎豊が歌った「盗んだバイクで走り出す…」的な自由は、
ニーチェ的な自由であるといえる。
犯罪を助長するものでないが、自由は善悪を超えて力を求めるものとの考え方。

「好きな時間に起き、好きなことをして、好きなときに寝る」という
リラックマ的な自由は、政治哲学者アイザイア・バーリンが区分けした
他の者の干渉を受けない消極的自由といえる。

<他の哲学者の考える自由>
○カント
 自ら立てたルールに従うこと。
○ミル
 自分自身の幸福を追求することを他人に邪魔されないこと。
○サルトル
 自由の中に見捨てられた状態が自由。 EX「自由の刑に処せられている」

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