今の日本に保守などない、あるのは右翼だけ。日本に民主主義が一度もなかったという理由

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民主主義が一度もなかった国・日本 (幻冬舎新書)

日本の政治論点整理として。やや民主党ヨイショの傾向、外交問題についてのバイアスが気になるが、この部分を切り離して様々な論点整理のための本として捉え、今の政治のチェックに使えば良い本だと思う。論点が非常に多いため一章のみまとめ。

政治の四象限に基づいて日本の民主主義を否定する

「権威主義か、参加主義か」「市場主義か、談合主義か」の二軸。
権威主義から参加主義へ移行することを民主化と呼ぶ。米国も欧州も、市場主義か談合主義かの違いはあれど民主化されている。日本にはそれがない。旧自民党は談合主義かつ権威主義。小泉自民党は、市場主義ではあるが権威主義。

アメリカの民主主義はNPOや教会によるセーフティネットがある。また機会の平等を重視するため、高額相続税などの再配分で親世代の勝ち負けを極力子世代に持ち込まないようにしている。(教育格差はどうしようもないが)。少なくとも市場主義が正当性を失わないよう、公正を担保するための「事前的再配分」の理念がある。

小泉自民党は、この点を理解せず(ごまかし、)既得権益の打破と再配分撤廃を同一視したり、再配分重視を既得権温存と同一視するのは違う軸を一緒にしている間違った考え。結果として市場主義を取りながら市場主義の正当性を担保できる理念がない。権益を排除した再配分が行われなかったため、理不尽な格差拡大につながった。

今の日本に保守などない あるのは右翼だけ

保守は平時の思考、右翼は非常時の思考である。

日本の保守の概念は、冷戦体制終了時とともに無意味化。
保守の方向性は欧州と米国で逆。「欧州での保守はフランス革命つまり市民の自由への懐疑」を意味し、「米国では合衆国憲法が保障する市民の自由の護持」を意味する。「日本ではせいぜい共産主義の脅威から守るという程度」の意味しかない。

日本の保守には国家の恐ろしさに関わる悲劇の共有がない。あったのだけれど、敗戦について語ることをタブーとしてしまったことで、保守というものを持つことが出来なかった。右翼の唱える共同体を守るという考えは、過剰に抽象的で、伝統や慣習を含まず、「仲間たちの命を守る」だけで成り立つ。実際日本の右翼は一部を除いて内輪的。

日本に保守概念が存在し、右翼概念だけ存在する背景には天皇制がある。天皇制という虚数的な概念を持ちだして普遍性を維持している限り、体制が根底から変わっても形式的には国体は変わっていないことになってしまう。ここで議論が前に進まなくなる。

現在の国家の役割は社会の自律を支える「社会投資国家」

グローバル化に対抗するのではなく、グローバル化が個人を直撃することがないよう、社会的包摂(セーフティネット)の欠如を解決することが重要

「作為の契機の不在」と選挙制度という2つの難点が民主主義を困難にする

参加という意識がない。選挙前は民主党に任せられるか?という話をしていたのが、選挙後にはすぐにお手並み拝見という態度になってしまう。日本の選挙民は、治世の自明性に埋没して、肯定性ではなく否定性にすぐ反応する。政策に投影するのではなくお灸を据える選挙の時だけ投票するという傾向がある。
(ちょうど「風雲児たち」で田沼意次の政治のところを見てるからグッとくるなこれ)

政治家の才能には、政策の方向と政治過程の方向の2つがある。政治過程には素人だが政策に長けた松下政経塾系と、政策に関心が薄くて政治過程に長けた小沢一郎系は、タイプの違いを越えて協力しなければ絶対にうまくいかない。(失敗したなぁ・・・)

民主主義を望むのであれば、権益のパイプを持つ有力者ではなく、政策を実現する人を選ぶという意識の変革が必要にある。中選挙区時代は、幾つかの強力な業界団体と講演会組織が固まって有権者の4分の1の評を目指せば当選する仕組みだった。小選挙区になって51%の得票をめざす必要が出てくると、特定層だけでなく、幅広い有権者に対してカバーできる政策や理念だとかが問われるようになった。ようやく政策によるスクリーニングが求められる制度になった。
今まではどういう基準で何を持って政治家を選択すべきかわからなかった。選挙制度改革はこの意識の変化に対応するものでなければいけない。これからは特定の権益層を代表することではなく、有権者全体に対しての業績投票になる。(投票率がもう少し高くなれば、ね。今はまだ変わってないから特定の権益層の代表でもいけちゃうぽい)

ポピュリズムの対象

竹中平蔵の関わっていた調査会社によると、「ポピュリズムの対象になるのは具体的不満のある経済的弱者でなく、非経済的弱者かつ、ワンフレーズに動員されるIQの低い人間」。IQの低い彼らは小泉自民党を指示し、ほどなく自分たちも経済的弱者の仲間入りをした。

これでようやく50ページ。続きは増田にでもまとめます。

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