慟哭の書評・感想

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慟哭 (創元推理文庫)

<背景ー裏表紙要約より抜粋>

 連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判を受けて懊悩する。
 異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。
 こうした緊張下で事態は新しい方向へ!

<Keywords>

【娘/父親】

 捜査一課長・佐伯は冷徹とも言える顔を持ち、仕事に没頭する。
 政略結婚で私生活に救いはなく、娘と会うことすらできない。
 しかし、そんな彼にとっても自らの娘を大事に思う気持ちは人並み以上に強かった。

【新興宗教】

 怪しげな儀式を行い、裕福な信者から金を巻き上げる宗教。
 誰もが「自分はだまされない」と信じているが、人間の心は脆い。
 大きな風穴があいた心が、その隙間を埋めるために、何かにすがろうとすることは
 決して珍しいことではないのである。

【マスコミ】

 マスコミは、真実を暴き出すこともあるが、虚構で真実を隠すこともある。
 また、センセーショナルな見出しで騒ぎ立て、本質を見間違うこともままある。
 警察の捜査がマスコミによって邪魔されることで、捜査の解決が遅れたとしても
 マスコミは警察を非難する「権利」がある、という不条理が作品中でももどかしい。
 

<感想>

 推理小説だが、社会派なテーマをふんだんに取り入れているため
 深く考えさせられる一冊となっている。
 人間の心の闇が存分に描かれているが、最後に残るのは悲しみの方が大きいかもしれない。
 ネタばれが怖くて回りくどくしかまとめられないのが残念。

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