塩の街の書評・感想

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塩の街 (角川文庫)

<背景ー裏表紙要約より>

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。
塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。
その中で出会った、元女子高生・真奈と元自衛官・秋庭、そして世界の物語。

<Pick Up The Scene>

【まったく、このご時世に、まるで宝物のような。関係ないのに泣いてごめんなさい。真奈はそう謝っているのだ。】

 人が次々に塩の柱になってしまう現象、塩害が起こる中、
 塩害の被害にあったとあるカップルに出会い、真奈がこぼした涙。
 生きることがやっとの毎日で、他人の哀しみに触れて涙を流せる純粋さに心惹かれるワンシーン。

【「きれいなだけの人間なんかいやしねェよ。どっちもあるんだ。お前の中にもあいつの中にも。俺の中にもな」】

 どうせ塩になって死ぬ、その思いから暴挙を働く青年と出会った真奈と秋庭。
 その死を見届け、自らの中の醜さを自覚する真奈への秋庭の言葉である。
 誰の心にもちくりとくる一言ではないだろうか。

【世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。】

 事態が収束に向かう中で、真奈と秋庭が出会った、ライター志望の少年の一言。
 いかにも少年らしいかっこつけた言い回しだが、この言葉こそがしっくりとくる。
 なぜしっくりとくるのか?それは読んでみていただきたい。

<感想>

 「大人のためのラノベ」を発表する有川浩のデビュー作だが、デビュー作とは思えない作りこみ。
 作品自体はゆるやかなオムニバス形式で、後半に向かって大きな変化・盛り上がりを見せる。
 巻末にはサブキャラの番外編もついていて、ほろっと泣けて、甘酸っぱい気持ちにさせられる一冊。

*別アカウントで投稿したものを削除し、こちらのアカウントでアップしなおしました。

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