他人を見下す若者たちの書評・概要

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他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

本書の概要

 実績や他者からの評価に基づかない自身の有能感を「仮想的有能感」と名づけ、これを持つ若者が多くなったから日本社会には色々問題が起きはじめた、と言うのが著者の主張だと思う。こういう考え方自体は別にあってもおかしくないが、いくつか疑問点がある。

範囲を限定した根拠のなさ

 まず、なぜ若者に限定したのか、と言うこと。他者を見下して有能感にひたるというのは、昔からよくあったことだと思う。有名な政策の例では、被差別部落の問題が挙げられると思う。あとがき部分にもあるように、著者の若者に対する先入観が若干先行しすぎているきらいがある。

データ的な根拠のなさ

 次に、何を根拠にしているのかと言うこと。研究者であるならば、客観的根拠に基づき自説を主張すべきと思う。後半の章で、有能感に対する年代別評価の調査を行っているが、その結果は著者の見解を必ずしも裏付ける結果ではない。それにもかかわらず、対象が女性が主であり、仮想的有能感は男性に多いと考えられるから、と言う根拠のない理由で、それ以後も自説を展開している。そう考えるのならば、それを検証する調査を行ってから自説を展開するのが筋なのではないだろうか?

これが大学教授の実態なのか?

 評論家であれば自分の思っていることを主張したいように主張してもかまわないと思うが、研究者であれば客観的事実に基づいて主張すべきだと思うのは間違いなのだろうか?

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