概要
単なる経費カットではない、コストマネジメントとローコストオペレーション(LOC)経営の真髄を伝授
コストマネジメント
◆コストとは
・カットすべきものではなく、最適に配分し、活用すべき「経営資源」
◆真のコスト削減
・会社の無駄を減ら組織を強くし、創出されたコストを使い、会社の将来の発展のために行なう
◆最大のメリット
・周囲の状況(景気など)に左右されず、収益につなげられる
コスト削減の3つの罠
①ビジョンなきコスト削減
・リストラ=人減らしではない
・リストラ=「再構築」:企業経営全般を見直し、事業の「集中と選択」、人材の再配置を行ない、収益性を高める
・ビジョンなく人を減らしたら、現場の士気が下がり、余計に売上げが下がる「負のスパイラル」に陥る
・「なんのため」コスト削減が必要なのかを明確する
②手段と目的の混合
・明確にしても時間が経つと最初の目的を忘れ、「手段の目的化」が始める
・典型例)【コピー代の削減のため裏紙を使う】
―A4サイズを一枚使わなくても50~60銭にしかならなず、せいぜい月間で数万円程度
―ある企業は成果が見えないので集計用にソフトを導入したら、コストが増えてしまった
・他の例)【ノー残業デー】【会議は1時間以内で】【夏場はエアコン28℃設定で】など
・もし行なうなら【~をすると、月に○○万円の削減と効果を示す】
・真の目的は成果を出すことなのに、成果がみえず検証もできないものをしない
③LOC体制の構築なきコスト削減
・持続可能なローオペレーションコスト体制の仕組みを作ること
・スーパーマーケットの例)一人で複数の業務をこなせる人を育て、生産性を上げる
ローコストオペレーションを成功させる方法
◆ローコストオペレーションを実現する現場の作り方
①コストを見せる
・会社が提供するサービスや商品にかかっているコストをきちんと従業員全員に教える
・現状の見える化(見えないものを見えるようにする)
・成果の見える化(検証することで見えてくる)
②任せる
・権限を現場に渡し、責任は経営者がとる
③検証する
・公平な評価を作り、成果を検証する
④評価する
・成果が出たら、表彰などを行ない誉める
⑤分配する
・出た成果を報酬に反映させ分配をする
◆コスト削減の極意「一点突破 全面展開」
・あれもこれもとしようとせず、まず一つのことを削減する
・組織に「ものを大切にする習慣」を身につける
・他のことも無駄がないか削減される
電気代に注目をするとコスト削減
◆コストは大きく3つある
①エネルギーコスト:電気、ガス、水道代など
②オフィスコスト:通信費、宅配、家賃など
③オペレーションコスト:人件費、物流費など
◆エネルギーコストに注目してみる
・エネルギーコストは上位10位ランクインされるものが多い
・稟議書が回らない経費で支払いがノーチェックなので、見直してみると大きく削減できる
・1000億円売上げのあるスーパーだと月間1億円以上が電気代だけでかかり、自動引き落としになっている!
◆改善の3ステップ
①調達改善:契約を見直す
②運用改善:使用量を減らす
③設備改善:自家発電などの設備を入れる
◆調達改善を見直す
・長期契約割引
・最適なプランにする
―ウィークエンド契約:時間帯や曜日季節に合わせる
―施設ごとの契約:工場やオフィスで変える
第5の資本「時間」
◆企業の資本
・いままでは「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」
・これからは「時間」も加わる
◆トヨタかんばん方式の狙い
・在庫を減らすよりも、時間を作り出す「時間戦略」
◆コスト削減の目的
・時間を創り、時間という資本を生み出すこと
◆時間は会社最大のコスト
・10人前後で管理職2名が参加する2時間の会議は人件費も含め10万円以上かかる
・大きな会社だと会議が毎日100以上もあり、毎日1000万円以上使っている
21世紀型環境企業
◆21世紀型環境企業
・売り上げを増やすのは困難だから、コスト削減で利益を確保していく
・持続可能な利益だけを確保し、少しでも世の中に貢献をしていくを目的にしていく