給与明細は謎だらけな理由。源泉徴収は誰のためのシステムか?

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給与明細は謎だらけ (光文社新書)

概要

 給与明細をベースにして、そこに書かれている金額がどのような根拠に基づいて決まっているのかを解説した本。これを読むと、給与収入から給与所得を求めて所得税額などを再計算することもまあ可能だろう。ただし、社会保険料は元々のルールが不明瞭なので算出は難しいらしい。

源泉徴収は誰のためのシステムか?

 これを読むと、給与所得控除や基礎控除、配偶者控除などの根拠が理解できる。給与所得控除はサラリーマンの経費精算を税務署がいちいち処理するのが面倒くさいから、一定額を経費と想定して控除するシステムだし、基礎控除や配偶者控除は、健康的で文化的な生活を営むための最低限の金額、というロジックで定められているらしい。でも、最低限の生活が年間38万円でおくれるとはとても思えない。しかもこれには、10万円未満の医療費が含まれる前提なのだから尚更だ。
 実際、諸外国では物価上昇などにあわせて控除額を上げているらしいのだが、日本では何十年も変えていない。そしてこれが問題にならないのは、税金を払っている多くの人が、源泉徴収というシステムによって税金について考えなくてもよいように飼いならされているからだと著者は言う。

消費税と派遣労働者増加の相関性

 特に興味を引いたのが、派遣労働者が増えている理由は消費税にも一因があるとの主張。正規雇用の場合、賃金給与は消費税とは全く関係がないが、派遣の場合は仕入として扱われるので、その仮払消費税は仮受消費税と消費税と相殺できる。つまり、消費税を納める額を減らすことができる。だから、正規の代わりに派遣を使った方がお得感があるらしい。

 源泉徴収は給与所得者から見ると便利なシステムだ。何せ経費精算の手間が少なくて済む。でもその分無知になり、誰かの良いように扱われてしまいやすいのならば、あえて勉強する必要があるのかも知れない。

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