数学的思考の技術を用いた具体的な考え方

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数学的思考の技術 (ベスト新書)

概要

「数学的思考を使うことで、世の中の仕組みやからくりの解像度が高くなる」

経済学博士・数学エッセイストである著者は上記のように語ります。

本書では、数式は一切使わず数学的な思考を用いて社会や人生の問題についての具体的な考え方を教えてくれます。

以下、印象に残った箇所を抜粋します。

数学的思考

◆数学的思考とは
 ・数学そのものとは違う
 ・数学っぽく、ものを見て、数学っぽく、ものを考える

◆具体例
 ・ものごとを論理的に考える
 ・図形を利用して考える
 ・単純化してシュミレーションしてみる

年金問題

◆年金
 ・人口増え続けるを前提とした破綻しないネズミ講

◆年金システム
 ・賦課方式:現役の勤労者が支払う保険料を上の世代に支払う

◆単純化
 ・最初の世代を第1世代。次の世代を第2世代、第3世代…第N世代、第N+1世代とする。
 ・第1世代はほとんど払わず、第2世代が肩代わり
 ・以下、第N世代を第N+1世代が肩代わりし続ける。これが無限に続く

◆メリット
 ・第1世代は収めなくても、自動的に次の世代の肩代わりがある
 ・それ以降も損をしないでどの世代も肩代わりをしてくれる
 ・ただし、無限に続くことが前提条件で

◆デメリット
 ・人口が減ってくれば、足りない分後になれば損をする世代が出てくる

勝ち組は運で決まる

◆ネットワークの外部性
 ・ある製品やサービスの利便性が、『それを持っていること(性能や価値)』+『他にどれだけの持っているユーザーがいるか(普及率)』に依存する
 ・互換性のしやすさ、情報の入手のしやすさなどのメリットでそれ自体の価値以上が出てきる
 ・AV機器やパソコン、ゲーム機などでよく起こる

◆具体例
 ・VHS対ベータ方式
 ・DVD対ブルーレイ

◆生まれる2つの均衡
 ・ヒット状態:多くの利用者がいるので、利便性が大きく、また利用者が増える
 ・閑散状態:利用者がいないので、利便性がなく、利用者が減る

◆ヒットになるかは偶然で決まる
 ・性能や価値の差がそのまま差にはならない
 ・勝敗は圧倒的な差につながってしまう
 ・しかも理由が偶然の産物である

貨幣の本当の価値

◆もし、貨幣がない世界
 ・Aさんが歌手、Bさんがタクシーの運転者、Cさんがレストラン経営
 ・Aさんは、Bさんに送迎してほしい
 ・Bさんは、Cさんのレストランで食事がしたい
 ・Cさんは、Aさんの歌が聞きたい
 ・誰も直接物々交換できないので、どの取引も成り立たない

◆人類が生み出した魔法の貨幣があれば
 ・AさんがBさんに貨幣で送迎を
 ・BさんがCさんに貨幣で食事を
 ・CさんがAさんに貨幣で歌を
 ・回り回って、Aさんに貨幣が戻ってきているのに、みんな得をしている

インターネットの価値

◆インターネットは社会的共通資本
 ・若者は無料でそこそこの文章や動画、ゲームを楽しんでいる
 ・制作側は貨幣ではなく、みんなの喜びをみる楽しさでアップする
 ・これは伝統的な経済学の『できるだけ働かないで、できるだけ多く消費する』発想とは正反対
 ・人は緊密なコミュニケーションと相互贈与を実現できる空間的・時間的装置があれば、貨幣がなくても豊かな生活を引き出せる

感想

他にも固定給や健康保険の仕組みや村上春樹の小説を数学的に読みといたりしています。

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