戦略ストーリーの原理原則10カ条とマブチモーターの戦略ストーリー

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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

戦略ストーリーの原理原則10カ条

ストーリーとしての戦略を考える原則をマスターしましょう!

1. エンディングから考える

戦略ストーリーの優劣の基準「一貫性」にあるから

2. 「普通の人々」の本性を直視する

コンセプトを構想するためには、「誰をどのように喜ばせるのか」をはっきりとイメージしなくてはなりません。そこでは「誰に嫌われるか」という視点が大切です。「誰からも愛される」というのは「誰からも愛されない」のと同じです
人聞が人聞を相手にしてビジネスをしている以上、本当の意味で「新しい価値」などというものは、そもそも存在しないと考えたほうがよいでしょう。慌てず騒がず、普通の人々を念頭に置いて、人間の本性をしっかり見つめることが大切になります。これでは一貫したストーリーにはなりません。「言われたら確実にそそられるけれども、言われるまでは誰も気づいていない」、これが最高のコンセプト

3. 悲観主義で論理を詰める

一貫性の高いストーリーをつくるためには、打ち手をバラバラと箇条書きするだけでなく、その間にある因果論理をよくよく考えなければなりません。ここで大切なことは、打ち手をつなぐ因果論理を詰めるときは悲観主義で臨む。コンセプトについては楽観主義であるべき
「悲観主義」は「弱者の論理」と言い換えてもよいでしょう。ヒト、モノ、カネの制約に苦しんでいる会社であれば、「どうにかなるさ」とは言っていられません。ストーリーが本当に作動するかどうか、打ち手をつなぐ論理を突き詰めて考えざるをえません。そもそも、あらゆる戦略は利用可能な資源の制約を前提にしています。無尽蔵に資源を使えるのであれば(そんなことは現実にはないのですが)、戦略は必要ありません

4. 物事が起こる順序にこだわる

5. 過去から来来を構想する

「これから」と「これまで」のフィットをよくよく考える必要があります。
ストーリーを構想する以上、少なくとも10年、できれば20年ぐらいの賞味期間が期待できるような、できるだけ長いストーリーをめざすべき

6. 失敗を避けようとしない

戦略ストーリーが事前に共有されていないと、「子どものサッカー」になってしまいます。大切なことは、失敗を避けることではなく、「早く」「小さく」「はっきりと」失敗することです。

7.「賢者の盲点」を衝く

8. 競合他社に対してオープンに構える

9. 抽象化で本質をつかむ

10. 思わず人に話したくなる話をする

思わず人に伝えたくなる話。これが優れたストーリーです。逆にいえば、誰かに話したくてたまらなくなるようなストーリーでなければ、自分でも本当のところは面白いと思っていないわけで

マブチのストーリー

小型モーター事業について、マブチの考えたそもそものストーリーは、最も単純化していえば「大量生産によるコスト競争力で勝つ」マブチの戦略ストーリーが面白いのは、大量生産につながる打ち手として、「モーターの標準化」

マブチの成功を見た同業他社が、中国現地生産の戦略を「ベストプラクティス」として導入したとしても、周囲の打ち手とのつながりに欠けていれば、かえって筋の悪い話になってしまいます。ストーリーの断片を切り取ったスチール写真を見るだけでは映画が評価できないのと同じように、ストーリー全体を通して見ないことには、筋の良し悪しは判断できません。

ベトナムのへんぴな場所を選択したのにも論理があります。全品品質検査は作業者の熟練がカギになります。中国の労働市場は流動性が高く、作業者がなかなか定着しないこともあり、ベトナムのほうが適しています。そこでマブチは、周りに工場が一つもないような場所を長い時聞をかけてゼロから切り拓き、その周囲に住む人々を採用。

マブチはある種類の小型モーターに特化し、それ以外のタイプのモーターには手を出していません。標準化にこだわるということは、カスタマイズした製品は手がけないということです

感想

ストーリーが見えなければ戦略ではない!!
ワクワクする物語を戦略に入れよう!

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