統計を取れば見えないものが見えてくる!ヤバい経済学

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ヤバい経済学 [増補改訂版]

about

『週間ダイヤモンド』2006年度ベスト経済書第1位の書。
アメリカで170万部を超えるベストセラーとなった。
著者は、ジョン・ベイツ・クラーク・メダル(権威のある賞)受賞者のレヴィットと『New York Times』等の記者であるダブナ-。
「インセンティブ」を軸に話を展開。
2010年には映画化され、2011年に日本公開。
http://www.yaba-kei.jp/
400ページ弱あるので、面白いと思ったトピックを紹介。

学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?

Ans.インセンティブに基づき、インチキをする点

・シカゴではテストを受け、優秀だったクラスの担任がボーナスをもらうことになるのだが先生のモラルに頼る部分があった。生徒に答えを教えれば自分はボーナスが貰え、生徒は成績が上がるwin-win関係にあった。

・インチキするのは平均よりも若く能力の低い先生

・相撲では勝ち越すのと負け越すのとでは年収に大きく差が出る。そのため、勝ち越しが決まっている力士が7勝7敗の力士に負けてあげることがあるかもしれない。

・7勝7敗の力士の8勝6敗の力士に対する期待勝率は「48.7」に対し、実際の勝率は「79.6」、9勝5敗の場合は期待勝率「47.2」に対し、実際の勝率は「73.4」と大きく乖離している。

ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜ?

Ans.元締めでない限りそんなに稼げないから。
  ⇒ギャングの下っ端はマックの従業員やウォルマートの品出しと一緒の給与。
  ⇒裏社会も普通の資本主義があり、企業社会と変わらないくらい富が偏在。
 

・下っ端は給与が低く(時給3.5ドル)、危険(4人に1人は死ぬ)にも関わらず続けているのは、上へのし上がるために必要なプロセスだから。
・ギャングたちの間で賃金に格差を作るのは、ボスになるためのモチベーションを上げたり、ボスとしての権威を示すため。

完璧な子育てとは?

Ans.学校の成績がいいのは
  ⇒親の教育水準が高い。
   ⇒親の社会・経済的地位が高い。
  ⇒母親は最初の子どもを産んだ時30歳以上だった。
   ⇒生まれたとき未熟児だった。
  ⇒親は家庭で英語を話す。
   ⇒養子である。
  ⇒親がPTAの活動をやっている。
   ⇒家に本が沢山ある。

・逆に学校の成績と関係ないものとしては
  ⇒親はその子をよく美術館へ連れて行く。
   ⇒ほとんど毎日親が本をよんでくれる。

おわりに

 本書が言いたいのは、あくまで、統計上はおかしなことが起こっているという点がポイント。相撲の例で言えば、確率的におかしいだけで、八百長をしている可能性はあるが、証拠ではないということである。尚、相関関係を調べただけで、因果関係まではわからない。因果関係を特定するにはさらなる分析が必要。
 統計を専攻している身としては、データを入手・作成していることが凄い。人口や都道府県のデータというものは国勢調査があるので楽に手に入る。しかし、地下経済やイリーガルなことが絡んだデータとなると本当に存在しない。存在したとしても、信頼できるか微妙なものである。しかし本書では、信頼性に足るデータを入手し、使用している。その点、本書は本当に凄い。

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

  • スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー

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