違和感しかない調和の世界

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ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー…この小説の世界観はなんともいえない気味の悪さを感じる。

まず、この世界は大災厄が起こったあとの日本の話だ。
二度と悲劇を繰り返さないように人々は平和な世界の実現を目指した。

子供はリソースとして社会に存在し
大人になるとwatchmeという機械を体に埋め込まれる。

「あなたは残酷なものを見ました。セラピーを受けてください」
「体重が一キロ増えました」「この食事は塩分が…」
などなど、人々の体を1から10まで管理してくれるので
人々は病気から解放された。

おまけに人の健康状態や個人情報まで知ることができる。
つまり、犯罪を犯せばすぐに知られることになる。
その前に人々は平和な世界で善意に包まれて生きているので犯罪すらない。

そのお陰で、この世界は平和になった。

しかし、そのなかで優しさで窮屈なこの世界で 
平和を憎んでいたミァハという少女がいた。
彼女もこの世界はさで重要な資源だ。

物語の主人公トァンとキアンと共に
このきれいな世界を汚すために自殺という形で
抗議することにした。
リソースである自分を殺すことで社会に
痛手を負わせようとしたのだが…。

感想

この小説…特に序盤は読んでて謎の窮屈さに見舞われました。

ちょうど「規制」「嫌煙」「悪影響」などと
ヒステリックにがなりたてる人々を見たときのような
居心地の悪さににている。

人間には少しの毒も必要なのだ。

それを一切、取り除いたら
人はどうなるだろう?本当に平和になるのだろうか?
そう考えさせられた。

ちなみに、この物語は自殺に失敗し大人になったトァンが主人公。
前作の「虐殺器官」がハードボイルド系統だとすると
「ハーモニー」は少しミステリー風味で楽しむことができました。

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