加賀恭一郎とともに少しずつ真実に近づいていく感覚が良い臨場感を味わわせてくれる一冊

1683viewsモリオカモリオカ

このエントリーをはてなブックマークに追加
祈りの幕が下りる時

まず読後に初めて知ったことですが、本作に登場する加賀恭一郎という人物は、東野圭吾の他作品にも登場する人物でありある種のシリーズであるということです。本作は、他のシリーズを読んだことがない私も楽しんで読めた作品であったことを記しておきます。

物語はある事情で東京から仙台へ流れ着いた女性・田島百合子が、それなりの平穏と幸せがある生活を送りながらなぜか自宅アパートで孤独な死を迎えたところから始まります。そこから舞台はいったん東京に移り、百合子と生き別れになった息子で刑事の加賀恭一郎がかかわった事件の遺留品から百合子の遺品とリンクする物品が出てきたことから、二つの出来事は関連性を持ち始めます。東京の事件で殺害された被害者・押谷道子と直前に会っていた角倉博美について調べるうち、事件は博美と道子の地元・滋賀での過去にも波及していく。宮城・東京・滋賀と離れた場所の事件を一つずつ紐解いていくうちに、加賀はこれらの事件に自身が関わることになったことの必然性に気づいていきます。

感想

物語中、三つの殺人が行われます。それらはすべて狂気に満ちたものではなく、やむにやまれぬ事情から行われたもので、生き抜くために選択した事情を隠し通すためのものです。このあたりは過去に読んだ「白夜行」に通ずるものがあると感じました。「マスカレードホテル」はそうでもありませんでしたが…。物語終盤四分の一ぐらいからの疾走感がすごく、それまでは少しずつ読み進めていましたが最後は一気に読んでしまいました。これを機に、加賀恭一郎が登場するほかの作品も読んでみようと思います。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く